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件名 | : REMEMBER YOU |
投稿日 | : 2024/06/02(Sun) 22:22 |
投稿者 | : ガイーシャ |
参照先 | : |
――それは5月27日から30日までの間のことになる。
腕の中に収まるほどの白い箱を、本当に久々に開いた。
埃だけは被らないようにと定期的に外装の手入れはしていたけれど、ずっと見ていなかったその中身を見つめて、そっと閉ざす。
「……」
この都で過ごすうちに手狭になった部屋の中は随分と綺麗にまとまってきた。
先日届いた、あの特殊構造のインダストリアル風キャビネットとクローゼットのおかげだ。
整えられたキャビネットの天板の上に、白い箱を置く。
置いた両手をゆっくりと引き戻し、そのまま右手が半ば無意識にロケットペンダントが握り締める。いつも服の中にあって、私服の時くらいしか人には見えない物。
紅い宝石が埋まった、燻銀とミスリルの蓋を開いて、その中身を見つめて、ゆっくり閉ざして。
息を吐く。
嘆息。
「……忘れてなんか、いないさ」
刻みつけるように、呟く。
青薔薇のソープフラワーが咲き誇るブック型フォトフレームに飾られた写真へと視線を流す。
過去と、今。
こう振り返ると、本当に多くのものが増えた。喪うだけでなくて。
目にし、手にするもの、過ぎるもの、あらゆるものが自分の中で交錯する。
「……羨ましいなんて思うのは、眩しく思うのは、それこそ野暮な話で、傲慢な話なんじゃないか」
たくさんの想い出。
たくさんの失し物。
残った記憶、言葉。
十分に、恵まれてきていることを自覚する。認識する。
「自分のことしか考えてないだろう、それは、って――」
自戒だ。
刻むように言葉を、誰にもいない空間にこそ放って、飲み込んで、ものにする。
「不安に、なることはない。僕は十分すぎるくらい、幸せなのだから」
「……感じられるように、なったから」
それはある意味で慣れぬ、幸せの感覚。
それが浮かしてしまうものを、ズラしゆくものを、理解して、今一度かえりみる。
一番に、考えるべきことを、考え直す。
息を吸って、吐いて。
まばたきをする。
赫い眼の奥に感じる、深い熱。既に結ばれた楔。
今ここに鏡があったら、宿る精彩を見つめることも出来るのだろうけど。
昔は大嫌いで憎らしくて恐かった鏡も、今はそうでもなくなってきたのだから。
「――――大丈夫。僕は、ちゃんと……」
――春が終わり、初夏を越えて、まもなく。
雨季が訪れる。
腕の中に収まるほどの白い箱を、本当に久々に開いた。
埃だけは被らないようにと定期的に外装の手入れはしていたけれど、ずっと見ていなかったその中身を見つめて、そっと閉ざす。
「……」
この都で過ごすうちに手狭になった部屋の中は随分と綺麗にまとまってきた。
先日届いた、あの特殊構造のインダストリアル風キャビネットとクローゼットのおかげだ。
整えられたキャビネットの天板の上に、白い箱を置く。
置いた両手をゆっくりと引き戻し、そのまま右手が半ば無意識にロケットペンダントが握り締める。いつも服の中にあって、私服の時くらいしか人には見えない物。
紅い宝石が埋まった、燻銀とミスリルの蓋を開いて、その中身を見つめて、ゆっくり閉ざして。
息を吐く。
嘆息。
「……忘れてなんか、いないさ」
刻みつけるように、呟く。
青薔薇のソープフラワーが咲き誇るブック型フォトフレームに飾られた写真へと視線を流す。
過去と、今。
こう振り返ると、本当に多くのものが増えた。喪うだけでなくて。
目にし、手にするもの、過ぎるもの、あらゆるものが自分の中で交錯する。
「……羨ましいなんて思うのは、眩しく思うのは、それこそ野暮な話で、傲慢な話なんじゃないか」
たくさんの想い出。
たくさんの失し物。
残った記憶、言葉。
十分に、恵まれてきていることを自覚する。認識する。
「自分のことしか考えてないだろう、それは、って――」
自戒だ。
刻むように言葉を、誰にもいない空間にこそ放って、飲み込んで、ものにする。
「不安に、なることはない。僕は十分すぎるくらい、幸せなのだから」
「……感じられるように、なったから」
それはある意味で慣れぬ、幸せの感覚。
それが浮かしてしまうものを、ズラしゆくものを、理解して、今一度かえりみる。
一番に、考えるべきことを、考え直す。
息を吸って、吐いて。
まばたきをする。
赫い眼の奥に感じる、深い熱。既に結ばれた楔。
今ここに鏡があったら、宿る精彩を見つめることも出来るのだろうけど。
昔は大嫌いで憎らしくて恐かった鏡も、今はそうでもなくなってきたのだから。
「――――大丈夫。僕は、ちゃんと……」
――春が終わり、初夏を越えて、まもなく。
雨季が訪れる。
件名 | : 【Orlando Bryan】 |
投稿日 | : 2024/02/28(Wed) 00:08 |
投稿者 | : ガイーシャ |
参照先 | : http://strafkolonie.sakura.ne.jp/bbs/patio/patio.cgi?read=204&ukey=1 |
――帳が落ちるその時まで
【担当役職:"軍人"】
オーランド・ブライアン
年齢20代後半〜30代前半。
身長185cm、筋肉質。
ブラウンの短髪にグリーンの垂れ目。
威圧感を与えすぎない精悍な顔立ち。
シュドーガル国の軍制服に身を包む。
料理が趣味。
過去に侵略者から国を護ったことから『シュドーガルの雷』という異名を持ち、雷の魔法を扱う。
実直。生真面目。
口数は多くなく決して器用でもないが、情に厚い軍人。
手先だけは器用だった。
強者との手合わせは積極的に願いたくなる意外と好戦的な面もあるのは、戦士の性だろうか……。
父は軍人。戦場で帰らぬ人に。
母は薬屋。正確には薬草を栽培して売っていた。
錬金術師クロニカ……ニカとは幼馴染。同じ町で育ち、彼女が錬金術の材料にする薬草を買いに来たところから知り合う。
オーランドは父の戦死によりあまり裕福でもない家庭に育ち、痩せっぽちで泣き虫で弱虫、母の手伝いをすることによりいつも土まみれだった。近所の子供にからかわれる幼少時代を送る。
ニカにはよく助けられ、慰められていた。
しかし母は体を壊し、ニカもまた意地悪な近所の子供に怪我をさせられてしまい、家族と友を守らねばならないと固く決意したのが心身急成長の始まり。
そうして青年という年齢に差し掛かる頃、激化する戦争に徴兵されることとなり、母のことをニカに頼んで戦地に。
戦場で飛躍的な活躍をし、国から英雄と称えられる頃――母は病死。死に目に立ち会えなかったことをひどく後悔した。
戦果によって得た報奨の殆どが本来使いたかった母の治療費にも使えずに放置され、一部をクロニカへの懐中時計にして贈った。
エメラルドの石が嵌った高価な懐中時計を、彼女はずっと持っていてくれたようだ……。
自分は代わりに方位磁石を贈られた。これが本当に最後の道標になるなんて思いもしなかった。
料理は母の手伝いのために始め、やがては病床の母のために、幼馴染に振る舞うために、自然と腕を磨くことになった。
初めて他人に振る舞ったお菓子はプレーンのマフィン。素朴な味わいの焼き菓子。
ニカが大層喜んで食べてくれたため、それからも度々贈ることになった思い出の菓子だった。
奥義『日雷』
ひがみなり。
全てを覆い尽くす雷光。
最大で、国ひとつ滅ぼせるのだと云う。
代償は激しい体力の損耗や著しい魔力枯渇だけではなく――己の寿命。国の英雄になったその時、約20-30年は喪ったことだろう。
戦場で窮地に追い込まれた時に人知れず偶然にも得た"竜"の契約と加護によって成せる威力。
その竜は当然驪竜シュドーガルではなく大陸そのものだった彼に比べればずっと小さな別の個体だが……果たしてそれは、もしかすれば、己も忘れ去っていた真実――己自身が驪竜の一部であると勘づかれていたのかもしれない。しかし真相はもはやわからぬことだ。
そして竜の末裔と謳われる王族たちもこのことは知らなかったであろう。
――確かに戦友は居たし、信頼する上官も居た。
祖国を愛してもいたし、苦しむ民を救いたいと思っていた。
しかし肉親は母親しかおらず、無二の親友はニカだけだった。
強いことも、英雄であることも、良いことばかりではない。
それでもその力で大切な人を護れるならそれでいいと思っていた。
……
誰よりもお前が大切だった。
誰よりもきっと、お前をあいしていた。
……その言葉も想いも、結局のところは絵本の中で【僕】が演じたに過ぎないものだけれど――
でも、決して嘘でもないだろう。
本人だってきっと、そう思ってるはずさ。絵本の中の続きではきっと、意地でもまた君に逢おうとしているんだろうからね。
良き時間をありがとう。
おやすみ。
ニカ。
(1枚目の肖像画はオーランド、2枚目と3枚目はニカ。)
(――わけあって絵本の世界と現実世界で異なる姿を持つゆえに2枚描くことにした【ニカ】の絵は、ディーノの指導とオーランドの素養をもとに、どうにかこうにか現実世界で描き上げたもの。依頼された絵本の表紙だ――――)
(エ?もうひとつあるはずの「ひどい絵」? ナイショだよ、そんなの依頼主のニカ本人にしか見せられないよ!!)
件名 | : |
投稿日 | : 2024/01/20(Sat) 02:00 |
投稿者 | : |
参照先 | : |
君は心配ないね。
彼も彼女も心配ないね。
みんなちゃんとしっかり生きていける。
惑うことがあったとて、支えてくれるだけの縁があるだろう。
こぼしたとしても、きっとまた立ち上がれるだろうさ。
こんなにボロボロになることもないだろう。
何に怯えているのかも、もうわからなくなって
わかっていても、わからなくなって
ただただ逃げたいだけなのかな、そうかもしれない。
でもそれが赦されないのもわかっているから、それはすごくわかっているから、どうにか命をつないで、それらしく振る舞って、あともうすこしだけ、務めを果たさないといけないんだ。
ちゃんと繕って果たすのも、あるべき覚悟なのだと想う。
それが終わって、雪が溶けたらどうするか?
覚悟を決めないといけない。それを遂行しないといけない。
どんなに願われたとしても、果たさないといけない。
縛られるなと言われたとしても、縛らないと、呪わないといけない。
くだらない矜持だと笑われたとしても、結局それが無いと形が崩れてしまうのだから。
――僕が、赫の悪魔であるためには。
赫の悪魔として最期を終えて、進むためには。
……進まないと。
みんな、前に進んでいるから。
ずっと後ろばかり見ていた僕も、進まないと。
進んで進んで進んで
――この痛々しい『幸福(くるしみ)』を、掴んで、潰さないと。
でも
ほんとうに
これで
…… の、……?
彼も彼女も心配ないね。
みんなちゃんとしっかり生きていける。
惑うことがあったとて、支えてくれるだけの縁があるだろう。
こぼしたとしても、きっとまた立ち上がれるだろうさ。
こんなにボロボロになることもないだろう。
何に怯えているのかも、もうわからなくなって
わかっていても、わからなくなって
ただただ逃げたいだけなのかな、そうかもしれない。
でもそれが赦されないのもわかっているから、それはすごくわかっているから、どうにか命をつないで、それらしく振る舞って、あともうすこしだけ、務めを果たさないといけないんだ。
ちゃんと繕って果たすのも、あるべき覚悟なのだと想う。
それが終わって、雪が溶けたらどうするか?
覚悟を決めないといけない。それを遂行しないといけない。
どんなに願われたとしても、果たさないといけない。
縛られるなと言われたとしても、縛らないと、呪わないといけない。
くだらない矜持だと笑われたとしても、結局それが無いと形が崩れてしまうのだから。
――僕が、赫の悪魔であるためには。
赫の悪魔として最期を終えて、進むためには。
……進まないと。
みんな、前に進んでいるから。
ずっと後ろばかり見ていた僕も、進まないと。
進んで進んで進んで
――この痛々しい『幸福(くるしみ)』を、掴んで、潰さないと。
でも
ほんとうに
これで
…… の、……?
件名 | : 渇望/望郷/罪禍/責罰/悲鳴/流血/呪う果て |
投稿日 | : 2023/06/23(Fri) 16:13 |
投稿者 | : ガイーシャ/アリベル |
参照先 | : |
『生き続ける/苦しみ続けるさ、これからも』
決して生きる屍にはならぬと、誓い、笑う度に、翳りで軋む音がする。
終わらぬ渇望。巡り巡っても行き着く望郷。
それが僕に課せられた流刑者としての罰。
"還る資格"をいつか手にできたとて、それを行使するのは許されないだろう。
心のままに紡ぎ上げてきた縁の系が、この人生を縛り付ける。
心のままに起こしてきた行動が、この心を締め上げる。
今を生きながらも、過去と未来を見つめている。
今を生きた結果、過去と未来を羨み悲鳴を上げる。
見るべき場所も歩くべき場所も解っているのに。
手放してはいけない、手放すことをしないと決めているのに。
選んだのは自分なのに。
永遠に続くような、罪で、罰。
望郷は彼岸。
全てが巡り繰り返される夢。
淡く儚い泡沫の幸福を幾度も重ねて生をつなぐ。
そうして再び悪夢を思い出す。
口には出来ない自分だけの苦しみ。
叫ぶことなど許されない自分だけの苦しみ。
終わりなき望郷の果てに、いつ辿り着くとも知れぬ。
選んだのは僕自身だ。
『苦しみ続ける/生き続けるさ、これからも』
たとえこの偽りで本物の心臓が軋んで破れて血が溢れようと
その血が止まることはないから
わらいつづけられるだろう
終わりのそのときまで。
決して生きる屍にはならぬと、誓い、笑う度に、翳りで軋む音がする。
終わらぬ渇望。巡り巡っても行き着く望郷。
それが僕に課せられた流刑者としての罰。
"還る資格"をいつか手にできたとて、それを行使するのは許されないだろう。
心のままに紡ぎ上げてきた縁の系が、この人生を縛り付ける。
心のままに起こしてきた行動が、この心を締め上げる。
今を生きながらも、過去と未来を見つめている。
今を生きた結果、過去と未来を羨み悲鳴を上げる。
見るべき場所も歩くべき場所も解っているのに。
手放してはいけない、手放すことをしないと決めているのに。
選んだのは自分なのに。
永遠に続くような、罪で、罰。
望郷は彼岸。
全てが巡り繰り返される夢。
淡く儚い泡沫の幸福を幾度も重ねて生をつなぐ。
そうして再び悪夢を思い出す。
口には出来ない自分だけの苦しみ。
叫ぶことなど許されない自分だけの苦しみ。
終わりなき望郷の果てに、いつ辿り着くとも知れぬ。
選んだのは僕自身だ。
『苦しみ続ける/生き続けるさ、これからも』
たとえこの偽りで本物の心臓が軋んで破れて血が溢れようと
その血が止まることはないから
わらいつづけられるだろう
終わりのそのときまで。
件名 | : Curse someone, curse something, curse yourself. |
投稿日 | : 2023/01/25(Wed) 00:24 |
投稿者 | : █████ |
参照先 | : |
これは吐いちゃいけない言葉だ。
これは叫んではいけない怒りだ。
これは哭いてはいけない慟哭だ。
これは感じてはいけない嫉妬だ。
これは
これと
これも
それも
あれも
これも
代わりに替わりになるものを吐いて吐いて吐いて吐いて
するどく やいばをとぐ
これは叫んではいけない怒りだ。
これは哭いてはいけない慟哭だ。
これは感じてはいけない嫉妬だ。
これは
これと
これも
それも
あれも
これも
代わりに替わりになるものを吐いて吐いて吐いて吐いて
するどく やいばをとぐ
件名 | : The Transition of Dawn |
投稿日 | : 2023/01/01(Sun) 23:03 |
投稿者 | : ガイーシャ |
参照先 | : |
――夜明けが怖かった。
すべてを奪っていった光が、なにより怖かった。
でもそれを、見られること。こうして誰かと、みんなと、今の仲間たちと見られること。
いつかは過ぎ去り、遠くなって、消えゆくものだとしても。
いまこの日を生きられて、黎明を仰げていること。
それは何より、うつくしく、しあわせなことなのだって。
――しあわせ。
自分が血濡れの世界以外で感じるべきじゃないと思っていた。
今もおもってる。
でも願ってくれる子がいるから、無碍になんてできない。
せめて願ってくれる子には、あたたかなこころと、笑顔を渡したいから。
生きることは苦しい。
いろんな矛盾したこころが、苛み、蝕みさえもする。こわれたこころが、嘲って、叫んで、泣いてもいる。
それでも、せかいはとめどなく、残酷なまでに朝と夜を繰り返す。
だから…こうして朝日に出逢えることは「ここまで生きてこられた」証そのものだ。
それに気づかせてくれたのは……。
すべてを奪っていった光が、なにより怖かった。
でもそれを、見られること。こうして誰かと、みんなと、今の仲間たちと見られること。
いつかは過ぎ去り、遠くなって、消えゆくものだとしても。
いまこの日を生きられて、黎明を仰げていること。
それは何より、うつくしく、しあわせなことなのだって。
――しあわせ。
自分が血濡れの世界以外で感じるべきじゃないと思っていた。
今もおもってる。
でも願ってくれる子がいるから、無碍になんてできない。
せめて願ってくれる子には、あたたかなこころと、笑顔を渡したいから。
生きることは苦しい。
いろんな矛盾したこころが、苛み、蝕みさえもする。こわれたこころが、嘲って、叫んで、泣いてもいる。
それでも、せかいはとめどなく、残酷なまでに朝と夜を繰り返す。
だから…こうして朝日に出逢えることは「ここまで生きてこられた」証そのものだ。
それに気づかせてくれたのは……。
件名 | : Dreams of the Dawn |
投稿日 | : 2022/10/30(Sun) 23:31 |
投稿者 | : ガイーシャ |
参照先 | : |
数奇な運命と前夜の万聖節が齎した、奇跡のような鮮烈な泡沫の夢。
それは黎明を超えて逢魔の先の真昼を求める、確かな歩みの一歩。
10/21
近隣廃屋にポチを案内して仮の犬小屋とし、しょっちゅう顔を覗かせる。
ポチ!ジャーキーだよ!(どっかで買ってきた。スタイリッシュに渡す。)
ポチ!ほねっこだよ!(出処不明の謎の骨を渡したり投げたりする)
ポチ!!
ポチー!!(モフモフに埋もれようともする)
10/23-24
ポチにジビエ串肉持ち帰る!
味付けしてないからイヌでもあんしん!!!
アンナに貰った紅い満月ライトも見せたい。きれーでしょ!僕らの故郷みたいだよね!
10/25
ポチに似顔絵を持ち帰る!
オクトーバフェストで二頭身ゆるキャラのおすわりポチの絵を描いたんだ!(ハガキサイズをちょんって犬小屋の中に立てかける)魔法の絵の具だから僕でも描けたんだよ!!
……あれ?ポチ…何だか――…。
――ってことで、ひとまず艶を取り戻せるように犬獣人系の毛並みに適したオイルとか櫛とか用意した!僕がよく使うやつの大容量版!!
シャンプーもする?どっかから水を引いてこないとな~。
うおーーー!(おっきいからぴょんぴょんしたりよじよじしたり埋もれたりしないとお手入れは出来なかっただろう…)
(でも。)(そんなのは、現実逃避でしかないってこと。)
(――わかってるの?)
(――わからないな!)
ポチ!どこで遊んできたの?海辺の匂いがするよ…あといろんな匂い。
たくさん混ざってるね、ポチ!もしかして会えたの?よかったね、ポチ!楽しかった?
10/26
……ポチ?
換毛期と呼べない抜け毛の量。生え変わるというより、老いて抜け落ちていくかのような…。いくら梳いてもツヤツヤにならない。
僕の声もどこまで聞こえているのだろう。見えているのだろう。
元気がないような気がするんだ。
いきなり…どんどん年老いてるように見えるんだ。
ただの誤認ならいい。僕の勝手な不安が幻覚みたいになっちゃってるんだって。そう。
だから、何かの…間違いだ。
――死者の蘇り。アイツの貼り出した依頼にあったもの。
望まぬ蘇生をされたと言うかつてのひとたびの戦友は、ポチの首輪のものと同じ黒いカボチャのアクセサリーをつけさせられていた。好きでつけているわけではないと言う。
気にしてなかったけど出会った頃からポチの首輪についてた。
あれは一体?
まさか。そんな。そんなわけ……。
10/27
――おやすみ、愛する同胞たちよ。
逢えてよかった。遊べてよかった。
あの水晶越しではない、今度こそ、目の前で、そしてあの魔都にはなかった穏やかな死を、見届けられてよかった。
…声が、聞こえてよかった。
何より怯えたあの黎明を安らぎに塗り替えたあの月を、きっと、生涯忘れることはない。
確かにその赤い首輪は手にした。
犬小屋だった場所は荒らされぬように全てを引き上げ、自身の塒に戻す。
黒いカボチャのチャームは少しだけ借りよう。
…そう、確かめなければならないことがあるから。
10/28-29
本当に数奇な運命の巡り合わせとしか言いようがなかった。
死した者の蘇り、それを齎した要因、交錯する想いこそあれど、それでもあの再会と出会いには感謝をしたい。
ポチと遊んでくれてありがとう。いろはと遊んでくれてありがとう。
僕ら生者を――いや…僕を生者と呼ぶには滑稽なものだが、それでもこの都に生きる者として。尊重してくれたこと。助けてくれたこと。守ってくれたこと。
…生を祈ってくれたこと。
それは我らの教義。
胸に秘めよう。彼女の願いもまた乗せて。
生者には歩みの苦しみを。
死者にはせめてもの安寧を。
その生の果てに死を迎えたのなら、安らかに眠るべきものなのだ。
だから、どうか…。ゆっくり、おやすみ。
それは黎明を超えて逢魔の先の真昼を求める、確かな歩みの一歩。
10/21
近隣廃屋にポチを案内して仮の犬小屋とし、しょっちゅう顔を覗かせる。
ポチ!ジャーキーだよ!(どっかで買ってきた。スタイリッシュに渡す。)
ポチ!ほねっこだよ!(出処不明の謎の骨を渡したり投げたりする)
ポチ!!
ポチー!!(モフモフに埋もれようともする)
10/23-24
ポチにジビエ串肉持ち帰る!
味付けしてないからイヌでもあんしん!!!
アンナに貰った紅い満月ライトも見せたい。きれーでしょ!僕らの故郷みたいだよね!
10/25
ポチに似顔絵を持ち帰る!
オクトーバフェストで二頭身ゆるキャラのおすわりポチの絵を描いたんだ!(ハガキサイズをちょんって犬小屋の中に立てかける)魔法の絵の具だから僕でも描けたんだよ!!
……あれ?ポチ…何だか――…。
――ってことで、ひとまず艶を取り戻せるように犬獣人系の毛並みに適したオイルとか櫛とか用意した!僕がよく使うやつの大容量版!!
シャンプーもする?どっかから水を引いてこないとな~。
うおーーー!(おっきいからぴょんぴょんしたりよじよじしたり埋もれたりしないとお手入れは出来なかっただろう…)
(でも。)(そんなのは、現実逃避でしかないってこと。)
(――わかってるの?)
(――わからないな!)
ポチ!どこで遊んできたの?海辺の匂いがするよ…あといろんな匂い。
たくさん混ざってるね、ポチ!もしかして会えたの?よかったね、ポチ!楽しかった?
10/26
……ポチ?
換毛期と呼べない抜け毛の量。生え変わるというより、老いて抜け落ちていくかのような…。いくら梳いてもツヤツヤにならない。
僕の声もどこまで聞こえているのだろう。見えているのだろう。
元気がないような気がするんだ。
いきなり…どんどん年老いてるように見えるんだ。
ただの誤認ならいい。僕の勝手な不安が幻覚みたいになっちゃってるんだって。そう。
だから、何かの…間違いだ。
――死者の蘇り。アイツの貼り出した依頼にあったもの。
望まぬ蘇生をされたと言うかつてのひとたびの戦友は、ポチの首輪のものと同じ黒いカボチャのアクセサリーをつけさせられていた。好きでつけているわけではないと言う。
気にしてなかったけど出会った頃からポチの首輪についてた。
あれは一体?
まさか。そんな。そんなわけ……。
10/27
――おやすみ、愛する同胞たちよ。
逢えてよかった。遊べてよかった。
あの水晶越しではない、今度こそ、目の前で、そしてあの魔都にはなかった穏やかな死を、見届けられてよかった。
…声が、聞こえてよかった。
何より怯えたあの黎明を安らぎに塗り替えたあの月を、きっと、生涯忘れることはない。
確かにその赤い首輪は手にした。
犬小屋だった場所は荒らされぬように全てを引き上げ、自身の塒に戻す。
黒いカボチャのチャームは少しだけ借りよう。
…そう、確かめなければならないことがあるから。
10/28-29
本当に数奇な運命の巡り合わせとしか言いようがなかった。
死した者の蘇り、それを齎した要因、交錯する想いこそあれど、それでもあの再会と出会いには感謝をしたい。
ポチと遊んでくれてありがとう。いろはと遊んでくれてありがとう。
僕ら生者を――いや…僕を生者と呼ぶには滑稽なものだが、それでもこの都に生きる者として。尊重してくれたこと。助けてくれたこと。守ってくれたこと。
…生を祈ってくれたこと。
それは我らの教義。
胸に秘めよう。彼女の願いもまた乗せて。
生者には歩みの苦しみを。
死者にはせめてもの安寧を。
その生の果てに死を迎えたのなら、安らかに眠るべきものなのだ。
だから、どうか…。ゆっくり、おやすみ。
件名 | : "You, suffer." |
投稿日 | : 2022/10/14(Fri) 21:53 |
投稿者 | : Goetia / |
参照先 | : |
「それでも」と立ち上がる。
たとえ進む中で何を踏み潰して躙ってしまおうとも。
一度手にしてしまったならば、歩みを止めてはいけない。
かつての同胞たちも…そうだったように。
自分もやっと『そちら側』に立てたという喜びと、途方も無い苦しみ。
明るい光は確かにそこに根差してるのに、あまりにも暗く遠い。
苦しみが足を留める。
嗚呼、みんなは…みんなはよく、あんなにも駆け抜けて掴めたものだと思う。
自分にはあまりに痛すぎて、重すぎて、全身が、笑いが、軋んでしまう。
もしもあの時、遥か遠き凍窟で、"彼女"に刃を振り下ろしたのが"僕"だったなら、やはり同じ結果だったのだろうか?
それともあの頃の僕はもっと強かっただろうか? ろくに心に乏しかった僕が、あの段階で本物を手にしていたなら。
わからない。どれも過ぎれば夢のまぼろし。知る由もなく、僕は今ここに、この流刑地で血濡れの手を握り締めてる。
踏み出す。歩き続けていく。走れなくとも。進み続ける。
深い暗闇を、雪の中を。
今まで朧げだったはずのあの景色が目に浮かぶ。鮮烈にあの黎明が轟く。
今まで超えられなかった黎明をやっと、やっと超えて、黄昏へ手を伸ばし、逢魔と成れる。
途方もない道を歩み続ける。
かつてのあの誉高き騎士たちのように。
――君よ、苦しめ。
たとえ進む中で何を踏み潰して躙ってしまおうとも。
一度手にしてしまったならば、歩みを止めてはいけない。
かつての同胞たちも…そうだったように。
自分もやっと『そちら側』に立てたという喜びと、途方も無い苦しみ。
明るい光は確かにそこに根差してるのに、あまりにも暗く遠い。
苦しみが足を留める。
嗚呼、みんなは…みんなはよく、あんなにも駆け抜けて掴めたものだと思う。
自分にはあまりに痛すぎて、重すぎて、全身が、笑いが、軋んでしまう。
もしもあの時、遥か遠き凍窟で、"彼女"に刃を振り下ろしたのが"僕"だったなら、やはり同じ結果だったのだろうか?
それともあの頃の僕はもっと強かっただろうか? ろくに心に乏しかった僕が、あの段階で本物を手にしていたなら。
わからない。どれも過ぎれば夢のまぼろし。知る由もなく、僕は今ここに、この流刑地で血濡れの手を握り締めてる。
踏み出す。歩き続けていく。走れなくとも。進み続ける。
深い暗闇を、雪の中を。
今まで朧げだったはずのあの景色が目に浮かぶ。鮮烈にあの黎明が轟く。
今まで超えられなかった黎明をやっと、やっと超えて、黄昏へ手を伸ばし、逢魔と成れる。
途方もない道を歩み続ける。
かつてのあの誉高き騎士たちのように。
――君よ、苦しめ。
その更なる源泉は「嘆き」「慟哭」「苦しみ」
其れは呪いから生まれ、呪いに生かされ、呪いと生きている
歪んだこころの断片。