世界観

『流刑の都』(以下、『都』という。また『当局』とは上層部直属の管理機関を指す。)
その成り立ちと参考情報について説明します。

◆漂着と入国
◆未踏区域
◆全容
◆治安維持
◆天候
◆職業分類


【漂着】

『都』は時空間の狭間を漂うこの世ならざる場所に在る都市です。
霧の多い灰色の海に浮かぶ島国をイメージして下さい。
しばしば、何らかの要因で元々の世界から放り出された人やモノが流れ着きます。

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【入国】

『都』には管理局が設置されており、新たな漂着者は以下の説明を受けたあと入国を認められます。

・この都は、あなたが元居た世界とはまったく異なる次元に存在している事。
・帰りたいならば手段はひとつ。都に貢献し、最高機関である『元老院』に認められる事。
・貢献とは主に、「闘技場への参加」または「未踏区域への調査」を指す。
 つまりは闘技者となるか冒険者となるか。もちろん両方でもよい。
・どちらにもなれない者は、ごく普通の市民として都で生活してもよろしい。
 ただし、その場合は帰れるようになる見込みは極めて薄い。ここが終の地になることを覚悟する事。
・『元老院』は別に意地悪であなた方をこの都に閉じ込めているわけではない。
 人ひとりを元の世界へ“帰す”には特別な装置と膨大なリソースが必要であり、すべての希望者を帰す事は出来ない。
 都を維持していくために「闘技」と「調査」は不可欠である。ゆえに功績を積み上げた者にのみ帰還のチャンスが授けられる。
・稼いだ名誉が一定の基準に達すると『元老院の勲章』が授与される。勲章を所持している者が元老院へと赴く事で、元の世界へ帰るための装置を使わせて貰える。この勲章は(滅多にない事ではあるものの)譲渡が可能。そのため一人で二人分の勲章を稼げば、二人揃って同じ世界に帰る事もできる。

 霧に覆われた最果ての都で、世界から見放された住人の心は壊死していく。
 その血を沸かせるための事業が必要とされていた。それが退廃的で剣呑な興行だとしても。
 ゆえにこの街にとって、血を流す闘技者と闘技場は必要にして不可欠なのである。

あなたの手持ちの所持金は都で流通している金銀銅貨と交換してもらえる。
(断ってもいいが、そのままだとぼったくられる可能性が高い。)
街に出てみるといい。あなたの居場所はきっとここで見つかるだろう。

【未踏区域】

滅多にない出来事だが、『世界の断片』そのものが都に流れ着いて接続され地続きになるケースがある。
これは実質的な領土拡大であり喜ばしい事だが、何しろどんな世界のどんな土地が流れ着いたのかまったく判らない。
当然、危険を承知の上で調査を行う者が必要とされる。冒険者の出番。

 現在の未踏区域……

 『瓦礫の城塞都市』
  流刑の都と同等以上の規模を誇る廃都。
  魔物と野盗と亡霊が跳梁跋扈し、知られざる遺産が眠っている。

 『忘れられた庭園』
  かつては超常の存在の手によって整えられていた巨大庭園。
  光と水に恵まれた肥沃な大地で、不可思議な現象や危険な妖魔に遭遇する事もある。

 『遥けき海底世界』
  海底に流れ着いた星渡りの箱船(星間飛行船)と、人魚を信仰していた
  魚人族の古代遺跡が奇妙な融合を果たした冒険地。
  深海の水圧にも耐えるクリスタルドームに覆われた広大な船内と
  原始的な海底洞窟を行き来しながら探索を進める事となる。

 『浮島の不死夜城』
  瓦礫の城塞都市の上空でたびたび目撃されていた浮遊島に聳え立っている巨城。
  城塞都市北部の転送門により往来が可能。
  かつて不死夜公爵と呼ばれる謎多き人物により
  多種多様な世界線から集められた「寄る辺なき不死者」達が暮らす城だった。
  今やその大半は棺の中で永き眠りについている。
  探索する度に内部構造が変化する「迷宮造り」の城内で、
  冒険者は不死者の歓待を受けるか、それとも招かれざる客となるか……

探索で得た物を持ち帰れば貴重な外界物資となり高値で取引される。
魔物や猛獣は討伐した証拠を持ち帰る事で当局から報酬金を受け取れる。生け捕りにして闘技場に売り払ってもいい。
敵意あるものの襲撃には十分注意すること。

【全容】

[上層部]
高壁に阻まれた特級区。
都の特権階級である『元老院』と『貴族院』の双つの塔は遠目にも見える。
『元老院』についての詳細は不明。都の設立に関わった古の賢者達と言われている。
『貴族院』はしばしば一般解放され、都の功績者を祝う綺羅びやかなパーティーが開かれる。

[一般居住区&商業区]
都での標準的な暮らしを送る市民達が住まう場所。
商店が立ち並び、都の中ではもっとも賑わう場所でもある。
新規漂着者のための旅籠や酒場に代表される娯楽施設も有。
治安はそれほど悪くないが安全を保証されるものでもない。

[箱庭の学園]
上層部と下層部のあいだ、つまりは中間層エリアに造られた『教育訓練特区』という名前そのまんまの大規模な箱庭。同時に4種の教育施設が建造され、流刑都住民から幅広く入学者を募っている。
表向きは「教育機関をもっと増やしてほしい」という住民側の要望に応えた形だが、元来都が求めているのは『闘士』と『冒険者』ゆえに、つまりは「戦い抜く技」と「生き残る術」を身につけるための訓練校的な意味合いが強い。実戦闘能力重視。教養その他の科目はもののついでで教えて貰える。
(2021年~2024年春まで学園サイト-Strafkolonie Schule-として稼働。現在は閉鎖し背景化)

[下層]
スラム街。闘技や調査で身を立てる事が出来ず、かといってまともな働きも出来ない落伍者の掃き溜め。
いくつかの犯罪組織が密かに根を張っている他、表では入手出来ない物品や情報が取引される場所。
都を管理している上層部はこの区域を本気で潰しにかかるつもりは無いという噂がある。必要悪の理論。

[闘技場]
都の中心に位置するコロシアム。
闘士として舞台に上がる事でファイトマネーと栄誉を得られます。
 ※第一闘技場は「ロールバトル専用」
 ※第二闘技場は「システムバトル専用」

[森]
都に隣接するように生い茂る小さな森。
そう、小さな森……のはずなのだが、一歩踏み入れば容易に抜け出せないほど広大に感じる。
いわゆる迷いの森である。エルフや街中嫌いの隠遁者はこちらに居を構える傾向がある。

[港区域]
当たり前だが、交易などは皆無。
ただし漁業資源は豊富なため漁港としては盛ん。海産物のひとつひとつもまた「漂流物」であろうが。
漂着者が砂浜に打ち上げられたり、外なる世界の建物や大型帆船が丸ごと流れ着く事もある。こちらは当局により接収され貴重な外界物資となる。

[海]
灰色の海域が果てしなく広がっている。
外から流れ着くものは多々あるが、内から流れ出ることは容易ではないだろう。
時折、大型の漂流物や離島の発見を目的とした「調査船」が水平線を行き来しているのが見える。これは当局直属だったり民間の冒険野郎だったり。官民共同だったり。

[冒険者ギルド]
冒険者達の活動拠点。
様々な依頼の受注と仲間集め、達成報告、報酬の受け渡し、戦利品の換金などが行われる。
依頼内容は未踏区域の調査に関するものの他、住人からの頼み事、指名手配犯や懸賞金をかけられたモンスターの討伐など多岐にわたる。

[近郊]
あまり広くはないが農業や牧畜に活用されている。
(当局の認可を受けた市民が土地活用。)
草原地帯や丘陵地帯あり。晴れた日にはピクニックを。

[未踏区域]
上述のとおり。近郊から地続きで探索へ向かう事が出来る。
武装していない市民が近付くのは危険。

※海底世界への行き方……港地区から蒸気機関車に乗り東の海に浮かぶ離島へ。
 車両ごと深海直行エレベーターで入口ゲートまで運んで貰える。

※不死夜城への行き方……まずは陸路にて城塞都市北部へ。
 浮遊島と往き来が可能な転送門が設置されているためそこから進入できる。

【治安維持】

当局により都の治安維持を目的として『衛兵隊』が設立されている。
ただしこの組織は警察的意味合いが強く、頼もしく高潔な部隊員が存在する一方で「上層部の狗」と揶揄される事もある。

市民達が『自警団』を組織する権利は認められている。
住民の生活に寄り添うという意味ではこちらの方が親しいものの、『衛兵隊』と利害の不一致が見られるケースも散見されている。

【天候】

『都』は現世と切り離された場所。
ゆえに太陽が昇ることもなければ沈むこともなく、月が浮かぶこともなければ消えることもない。
――はずなのだが、実際には朝焼けも満月も望むことが出来る。大抵は曇った空や濃い霧の日が多いけれど。
これは『世界の断片的な記憶』がフィルムを映し出すようにランダムに天候へと反映されるためと言われている。

いつか誰かが何処かで観た美しい夕焼けを拝める日もあれば、血のように紅い雨が降る夜もある。
星座も同様。こちらはある程度「季節に沿っている」らしい。
(都の季節感については住民の心象風景とリンクしている節があり、「夏だ!」と思えば暑く、「冬が来る……」と思うにつれ寒くなる傾向が見受けられる。)

【職業】

おおまかな分類は以下のとおり。
『元老院』所属のキャラクターは登録できないので注意。

[闘士]
自らの命を削りコロシアムを沸かせる闘技者。
魅せるだけの腕前を誇るならパトロンに見出される事も多い。
他の職業との兼業は容認されている。
ほか、舞台に上がるために訓練中の若き闘士見習いや教官も存在する。

[冒険者]
未踏区域の調査探索を主たる経済活動として据えている者。
当然ながら収入はピンキリ。

[市民]
闘技と調査以外の仕事をしながら都で暮らしている人々。
農耕、牧畜、漁業、生活用品販売、娯楽施設の運営とその雇われなど。
狩猟や鍛冶など自身のスキルに依って生計を立てている者も少なくない。
変わり者の「研究者」なども一応ここに含まれる。

[衛兵隊または自警団]
衛兵隊……当局(都の上層部)の指揮命令系統につき、都内の秩序を維持する部隊。
自警団……市民達が独自に出資し組織された治安維持部隊。
どちらに所属する場合も、公序良俗への配慮を欠き表立って犯罪を行うような者は所属できません。
(始末書で済まないような場合は除名されます。)

[貴族(貴族院)]
入国の時点で次の条件をすべて満たせる方は、「貴族院」に所属する事ができます。(断る事もできます。)
 ・いわゆる王侯貴族の出自であり、疑いを持たれない程度にそれを証明出来る身なりや風格を備えている事。
 ・強い力を秘めた宝物(ほうもつ)を所持しており、元老院にそれを差し出せる事。(たとえば、王家に伝わる魔石。禁忌とされる呪物。都の技術では再現不可能な科学機器など。)
 ・あからさまに反社会的な態度ではなく、(少なくとも表面上は)都の体制に協力的でいられる事。
「貴族院」に所属するキャラクターは上層部の貴族院エリアで衣食住が保証され、何はなくとも生活に困る事のない優雅な日々が約束されます。が、それ以上の私有財産は自分で稼がなくてはなりません。のんびり商売や興行の企画を考えてみてもいいでしょう。また、貴族院の特権は基本的に衣食住の保証だけなので、たとえば裁判で一般市民より有利に扱われるような事はありません。

[犯罪者]
いかなる社会においても必ず発生するもの。
特権階級の転覆を狙うテロリストからコソ泥まで幅広く存在します。

以上