Strafkolonie-キャラクター資料館【本家/学園共用】
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fld_lock.gif ジェラルドとふしぎなメモ
投稿日 : 2020/05/18(Mon) 20:34
投稿者 ジェラルド
参照先
日記や設定資料など…


≪ジェラルド・ブックス≫
自分が描いた作品
 ・プリンセスと花の魔法
 ・わがままな蜘蛛の女王
 ・ラッキーバニーvsボスドッグ
 ・魔法のトイショップ
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件名 ナターシャの日記
投稿日 : 2020/05/31(Sun) 22:02
投稿者 ジェラルド
参照先
私はナターシャ。
ジェラルドシリーズの作者。
ま、数年は続編が書けなくて仕事も減ってきて世間からは一発屋扱い。
私の名前も過去のものになって来たって感じね。

スランプ、仕事も無い、婚約破棄、こんな時に相談する友達すらない。
唯一変わらないのは毎月届く請求書と、編集者の催促。
うんざりしちゃう。

こんな人生ド底辺女にある日、不思議な本が届いてから色んなものが変わってきている。
街中カップケーキとホイップクリーム事件。
オモチャが街中をパレードしちゃう事件。
図書館で絵本に閉じ込められちゃう事件。
もう数え切れないほどの事件が私の周りで起きて、その度に友人のキースと解決してきた。
薬でも決めてるの?って聞かれるかもしれないけど、マジだから。

でも、その事件のお陰でずっと連絡してなかった母親と会うことが出来たし、友人も出来た。
私が最初に作品を書いた時の気持ちを思い出すことが出来た。
全部、アイツのお陰。

それと夢を見る様になった。
森の屋敷と、たくさんの友達。
兄みたいな頼れる大男。
妹みたいな狐の女の子。
美人な白いドラゴンの女の子。
その他にもたくさん。

私の物語を辿るんじゃなくて、自分の物語をちゃんと辿ってるんだね。
私、超応援してる。
子供を送り出す母親ってこんな気持ちなわけ?

でも最近、落ち込んでいるのが分かる。
自分の無力さに打ちひしがれて、心が揺れ動いている。
私はそんな貴方のために贈り物をします。
親愛なる貴方へ。
一発ぶちかまして来い!
件名 ある日の夢
投稿日 : 2020/05/22(Fri) 23:02
投稿者 ジェラルド
参照先
僕は夢を見るようになった―――


デスクでパソコンに齧り付いている若い女性。
デスクの上も乱雑だけど、床にも本や衣類や色んなものが散乱している。
女性は頭を抱えて、キーボードを叩く。

『あああああッ!もうッ!全く思い浮かばない!』

苛立ちながら大声を上げた女性はデスクの上の物を床に勢いよく落とす。
コーヒーが入ったカップが床に落ちて、床に黒いシミを拡げていく。

『やだッ、もうッ!嘘でしょ…最ッ悪…』

慌てて落ちている布巾でコーヒーを拭きとる女性だったが、それはお気に入りのドレスで、黒いシミを見て落胆する。
彼女の名前はナターシャ。僕を書いた作者だ。

『はぁ…全く思い浮かばない。私の中にジェラルドがいないって感じ…』
『続編は書けないし、婚約は破棄されるし、おまけにドレスは牛柄になっちゃって、ド田舎でカウガールにでもなれって?』

今はジョークすら虚しい、涙が零れそうだった。
すると部屋のチャイムが鳴る。
どうせ編集者が催促に来たんだろう。
ズカズカと大きな足音を立てて、扉を開く。

『何度書けないって言ったら気が済むかしら?100回?1000回?』

声を荒げるが、そこに立って居たのは同じアパートに住むキース。
彼は映画版で僕を演じてくれた俳優だ。

『や、やあ…ナターシャ。元気?―――何故か僕の部屋に君への荷物があったんだけど…』

そう言って差し出したのは古めかしいけど、美しい装飾がしてある本。
そう、これはレプリカでも何でもなく本物だ。
今、本の友人が必要なのは僕じゃない、ナターシャだ。
僕は彼女が作った本を、彼女に返すことにする。
僕は、本が無くてもきっと大丈夫。

ナターシャがその本を受け取った瞬間。
本は鳥のように外へ飛んでいく。

―――緊急速報です。現在、ニューヨークでは謎の巨大カップケーキとホイップクリームまみれになるという謎の現象が発生しています。原因はわかっておらず…―――

恐る恐る窓の外を見ると、ニューヨークの街は甘ったるいメルヘン世界に変わっていて。

『えッ、…私、夢でも見てるのかしら…?』

ナターシャ、君には僕と同じく冒険が必要さ。
だから、これは僕からの贈り物。



―――そうして僕はこの世界で朝を迎える。
何時も手放さない僕の本は何処にもなかった。
きっと、夢の通り、向こうにあるのだろう。
ナターシャも僕も一緒に前に進むんだ。
件名 この世界の僕
投稿日 : 2020/05/22(Fri) 22:32
投稿者 ジェラルド
参照先
僕の身体は日に日に人間になっていっている。
傷も出来るし、一日働けば疲れるし、パンを捏ねても手が痛くなる。
綺麗な女性を見れば胸がドキドキするし、自分の無力さを知って悔しいと思うことだってある。
物語の中に居た時にはそのような感情や感覚は一切無かった。
作者が与えてくれる感情が僕の感情だったし、感覚だった。

新しい自由をもらった気分だ。
物語の世界も好きだけど、同じくらい今の世界が好きだ。
人間初心者だから生きるのもやっとだけど、友人も出来てみんなで笑って過ごせることに幸せを感じている。
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