Strafkolonie-キャラクター資料館【本家/学園共用】
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fld_lock.gif ジェラルドとふしぎなメモ
投稿日 : 2020/05/18(Mon) 20:34
投稿者 ジェラルド
参照先
日記や設定資料など…


≪ジェラルド・ブックス≫
自分が描いた作品
 ・プリンセスと花の魔法
 ・わがままな蜘蛛の女王
 ・ラッキーバニーvsボスドッグ
 ・魔法のトイショップ
< 1234>
件名 分かつ精神
投稿日 : 2021/05/31(Mon) 20:27
投稿者 ジェラルド
参照先
ヴァイオレット…いやヴィーラに取り込まれた僕は一つの部屋に居た。
殺風景で椅子が一つだけ置いてあって…。
なんだか絵の依頼を思い出すね。

『なァんで貴方"達"がいるのォ?』

椅子に足を組んで腰掛け、退屈そうに頬杖をついて溜息を零すヴィーラ。
ヴィーラの視線の先には取り込んだ僕と物語の世界の住人がぎっしりと。

「何でって君がそうしたんじゃないのかい?」

『いやいや、可笑しいでしょ?なんで私の中にアンタと愉快な仲間達が形を保ててるのかを聞いてるの!』

――――そんなコントみたいな不毛なやりとりがずっと続いて疲れ切ったヴィーラはやつれた顔でまた深いため息を零した。

『まあいいわァ、いずれアンタも愉快な仲間達も私の中に消えてしまうから。それまでの命だと思って余生を過ごしなさい』

確かに僕の爪先から少しずつ身体が透けていっているのが見える。
彼女の言う通り形を保てるのも限界があるのがわかる。
そうなれば僕達は完全に彼女の一部になってしまうのだろう。

「じゃあ僕らが消えるならそれまで好きにさせてもらうよ!」

『はいはーい、好きにしなさいな』

どうせ消えるのならと僕らは殺風景な部屋に飾りつけをしてパーティを開いた。
愉快な仲間達と肩を組んで歌ったり、美味しいケーキに舌鼓を打ったリ、疲れたら大の字になって横になったり…

その光景を部屋の端で見ているヴィーラ。
イライラしているのか爪を噛みながらこちらを睨みつけている。
何度か彼女をパーティーに誘ったが手を払われ断られた。

だけど、時間が経つにつれ彼女から口を開いた。

『貴方、物語の世界に居たいとは思わないの?お望み通りずっと一番になれるのよ?』

僕は一瞬躊躇うように言葉を飲み込んだ。

「確かにスターとして一番になり続けたいよ。だけど、あんなに必死に僕を呼びに来てくれたみんなを見たら向こうに帰りたくもなるだろう?」

『あそこは貴方が住む世界じゃないわ。』

「物語の世界もジェラルドを必要としてくれている…だけど、向こうは役柄じゃない僕を求めてくれているんだ。出来ることはあまり無いかもしれないけれど、みんなの傍に居たいなって思ったんだ。」

『ふーん、そう…』

「ねえ、僕が消えるまで話さないかい?僕は君のこと何も知らないからさ。」

僕が消える最後の時まで彼女に歩み寄ろうと―――――――
件名 誰かの記憶
投稿日 : 2021/05/27(Thu) 14:44
投稿者 ジェラルド
参照先
私は物語の世界が大好きだった。
魔法をたくさん勉強して物語の世界に行くのが夢だった。
大冒険をしたり、ヒロインになって素敵な王子様と恋をしたり…

夢が叶った!
そう思ったのに…

私は不十分な術式のせいで二人に分かれてしまった。
善と悪。
赤と青。
オレットとヴィーラ。

オレットは主人公を勝ち取ってみんなから愛されて、それはもう輝いて見えた…
私は悪として生まれただけなのに私はずっと酷い扱いを受けてきた。

この世界から逃げ出したい。
みんなから愛されてみたい。
私を私として見てくれる世界に行きたい。
半分になった私の力では逃げられない。

足りない半分を埋めるためにあの男の中身が必要なんだ。

あの男はもう居ないのに、あんなに必死になる人達を見て私は苛立った。
絶対にあの本を手に入れる!
私の自由のために!
私は戦うんだ!
件名 不思議なシールと空色の栞
投稿日 : 2021/04/25(Sun) 23:57
投稿者 ジェラルド
参照先
先日物語の修復を終えて、手伝ってくれたガイーシャやエイダ、トニーには感謝している。
そこで受け取った『危険』『逃げて』というメッセージ。
僕を排除したいものがそのようなメッセージを送るだろうか?
そうは考えにくい…と考えると協力者になるのだろうか?

そして今日、また物語の扉が勝手に現れて大変なことになった。
エリクシルのお陰でことなきを得て、そこで手に入れた本の中から一枚の栞が挟まっていたことに気付いた。

『来るべき時に備えよ、頑張って! Vより』

と、空色の栞には書かれていた。
優しい、想いの籠った文字だと思った。
Vはやっぱりヴァイオレットなのだろうか。
ジェラルドシリーズスピンオフの主人公の名前と同じ。
真相を知るために何としても彼女に会って話をしなければいけない。
ジェラルドシリーズに繋がる扉を開く必要がある。
そのためにはまず膨大な魔力の籠った自分だけの本を作ること。
きっと一筋縄ではいかないけれど、学園なら何か作り方のヒントもあるかもしれない。

きっとまたみんなに迷惑をかけてしまうかもしれないけれど、僕はもう一人じゃないから。
困った時は友達に相談しようと思う。
件名 ジェラルドとふしぎな防具④
投稿日 : 2020/11/24(Tue) 00:42
投稿者 ジェラルド
参照先
【スパイ風スーツ型防具】

以前のスチームパンク風防具と同素材。
下層での着用を想定し、対人特化型の性能に仕上げている。
全体的に防炎、防水性を持たせてはいるが、対武器や防毒性に重きを置いた。

ダークグリーン×ストライプのスリーピーススーツとトレンチコート、その他アクセサリー類。スーツの釦は金縁の茶褐色。

トレンチコート:魔力隠し
ジャケット:防刃/防弾/対貫通/耐溶剤類/対爆撃
ウェストコート:防刃/防弾/対貫通/耐溶剤類/強化
ネクタイ:ロープ
サスペンダー:対魔術的状態異常
シャツ:対非魔術的状態異常
ボトムス:ジャケット同様
インナー:体温調節
ソックス:防水/防毒
ショートグローブ:防刃/防摩
シューズ:とても頑丈/気配遮断
中折れ帽:頭部防具
眼鏡・サングラス:暗視・遮光/対魔眼/UVカット

・トレンチコート
 防具仕様ではない、生地が随分丈夫なだけのコート。
 ローズの浮かぶボルドーレッドの裏地を採用。
 裏地に使用する織糸を、覆魔の液剤に数日間浸すことで、
 他防具の含む魔力を悟らせない効果を持つ。

 余程魔力感知に優れていなければ、唯のスーツに見えるだろう。
 或いは、魔法を用いて作られただけのものに。

・ジャケット
 下記ウェストコート同様だが、やや強度を落とすことで、自然な動きを作る。
 代わりに、爆撃への高い耐性を持たせており、
 ボルドーレッドの裏地に織り込んだ耐熱術式と合わせ、
 爆発の中でも露出した素肌も守る作りにしてある。
 爆煙を背に歩いても平気だろう。
 
・ウェストコート
 柔軟性を持つ軽量の対物理アーマー。
 防刃、防弾、対貫通、其々に特化させた糸を織り合わせている。
 表地には、溶剤耐性を持たせた生地を重ねており
 裏地に「強化」の文字列を刻むことで
 ウェストコート一枚でも十分な強度を誇る。

・ネクタイ
 ボルドーカラーの艶のある生地を採用。
 両端を引っ張ると、最長3mまで伸ばすことが出来る。
 簡易的なロープとして使用可能。
 戻れと念じると、元の長さに戻る。

・サスペンダー
 クリップタイプ。
 防魔一点特化型。
 魔術を介した毒や呪術等を除け
 「魔術的状態異常」に分類されるものをクリアする。

・シャツ
 グレーのボタンカフスタイプシャツ。
 対異常特化型。織糸を「対毒」「解毒」の薬剤でコーティングしてあり
 周囲に不可視の対毒層を展開し続ける他、
 麻痺や魅了等の「非魔術的状態異常」に分類されるものをクリアする。

・ボトムス
 腿辺りが少しふくらみ、裾にかけて細くなっていくシルエット。
 ポケット内部にボルドーの裏地。
 ジャケット同様の対物理、対爆撃性能。

・インナー
 体温調整。平熱に保つ効果を持ち、季節問わず着用可能。

・ソックス
 ボルドーレッドに黒のライン。
 革のソックスガーター付き。
 防水、防毒のエンチャント。

・ショートグローブ
 釦タイプの黒いグローブ。
 作業の邪魔をしない薄手の作りでありながら、
 防刃、防摩に特化した防御性能を持つ。
 釦の中心がスイッチになっており、
 スイッチをオンにすると、滑り止め効果が発動する。
 
・モンクストラップシューズ
 防水性が高く、炎上しにくい革素材のシューズ。
 黒革に、金縁の赤いストラップがアクセントに。
 内部、親指の触れる処に魔法陣を描いており、
 左右二度ずつ親指を上下に動かすことで、気配遮断を発動する。
 足音、移動音を消し、気づかれにくいように。

 インソールはウェストコート同様。
 軽量ながら、戦闘靴めいた頑丈さを持つ。
 靴底に「開いた本と万年筆」のワンポイント。
 
・襟飾り
 シャツの襟に装着する金飾り。
 暗所では艶消しのように光沢を潜める。

・中折れ帽
 所謂ソフトハットと呼ばれる、柔らかな素材の帽子。
 柔らかいが、高い対物理強度を持つ。
 クラウン内部に耐衝撃のエンチャントが刻まれており、
 エアクッションのように衝撃を吸収する。

 強い衝撃に対してのみ弾性を示し、
 打撃や弾丸を跳ね返す力を持つ。倍返しだ。

・眼鏡/サングラス
 暗視特化のブラックフレーム眼鏡と、遮光サングラス。
 ゴールドの細身チェーン付き。

 眼鏡をかけると、光源が無い場所でも、周囲が見えるように。
 サングラスをかけると、強烈なフラッシュなどから目を護る。

 また、魔眼対策レンズ/UVカットレンズを使用しており、
 極薄の透明な曇り止め層が重なっている。



イメージ画はゼノンさんから頂きました。
ありがとうございました!

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件名 ふしぎなシール帳①
投稿日 : 2020/11/05(Thu) 22:37
投稿者 ジェラルド
参照先
≪ケーキ≫
ゲーム『お菓子でパズル!スイーツパズル☆シュガー!』より。
使用するとゲーム機が現れ、ゲーム内で連鎖していくことでスイーツブロックの展開及び、お邪魔ブロックを落下させることができる。
低級魔法程度の威力しか持たない。

≪ギター≫
漫画『ドラマチックエコー』より。
使用すると5人の登場人物のシルエットが現れ、ガールズバンドによる演奏が行われる。
錯乱や洗脳・魅了等精神系の状態異常を防ぐまたは緩和させる力がある。
あくまで緩和であって完全な治癒はできない。

≪雪の結晶≫
画集『極寒』より。
使用するとペンギン型のメガホンが現れる。
寒いギャグを言うとメガホンから周囲の温度を奪う波動を発する。
直撃すると凍り付いてしまうこともあるが、せいぜい凍傷になる程度。

≪カエル≫
映画『Frog's Choir』より
合唱団の子供達の幻影が自分の背後に現れる。
自分の声をハモらせて輪唱することができる。

≪スマホ≫
?????より
携帯端末が現れ、空を飛びながら自動で撮影を始める。
また空中に大きな画面が現れライブ配信が始まる。
誰がその配信を見ているかは不明だが、いいねやコメントがもらえる。
応援の言葉やいいねの数で力が溢れたり、流れるコメントを具現化して直接相手にぶつけることができる。

≪カメラ≫
ドラマ『君と僕のランウェイ』より
カメラのフラッシュと共に装備を一瞬で変えることができる。
但し、自分が所持していて且つ着たことのある服でなければいけない。

《虫眼鏡》
図鑑『発見!ミクロの世界!』より
虫眼鏡が現れ、虫眼鏡で覗き込んだものを数秒間だけ巨大化させる。
巨大化できるものには制限がある(生物など細かな動きのあるものは巨大化できない)
件名 新たな武器!≪スネークバイト≫
投稿日 : 2020/11/05(Thu) 22:20
投稿者 ジェラルド
参照先
≪スネークバイト≫

エリクシル氏により提供

影に溶け込むような黒に、側面を横切る深紫のラインがアクセントとなるデザインの消音器一体型拳銃/狙撃銃。
コンパクトで取り回しやすい拳銃形態と、大型で威力が増大し、高精度の照準が可能になる狙撃銃形態を任意に選択・変形できる仕組み。
漆黒の蛇革を用いたシックなスーツケースに変形・擬態することが可能で、スーツケース状態ならば中に物を入れることも出来る。
ただし、拳銃形態から狙撃銃形態に変形する際は一度スーツケース形態を介する必要があり、スーツケース形態から狙撃銃形態に変形する際は銃身と機関部、銃床部が組み上がるのに約五秒を要する。

外観以上に特徴的な内部構造を有していて、左右二連に並ぶ銃口により、着弾点には特徴的な近接する二つの弾痕を刻む。
また軽量高初速で非常に貫通力の高い魔力鍛造弾を使用し、銃器の発砲音や作動音がしないだけでなく、音も無く大気を貫通するために飛翔音も存在せず、着弾音によってようやく銃撃されたことを認識できるほど。
魔力弾は内部に6発まで保持され、それ以上撃とうとすると射手の魔力を代わりに消費する必要がある。
件名 日記
投稿日 : 2020/10/31(Sat) 22:36
投稿者 ジェラルド
参照先
久しぶりに日記を書こう。
文字に書けば気持ちを整理できるって言うからね。
今、僕はどうしたらいいかわからない。
目の前でルグとトニーが大怪我するのを見た。
ひとつ間違えば死んでいた。
それが娯楽でもある闘技大会で、だ。
軽い気持ちでチームを持ちかけた僕が悪い。
戦う力が無くて闘士として参加出来なかった僕が悪い。
体がバラバラになったルグ、血を流すトニー、悲しい顔をするエリクシルが頭を過ぎる。
そんな風に傷ついても戦い続ける2人が怖くなった。
怒りすら感じたけど、僕が怒ってしまったら戦いに水を差してしまうだろう。
考えれば考えるほどキリが無い。

この世界に来てから友達が増えたこと、仲間が増えたこと、とても嬉しいことだ。
だけど、誰かが苦しむ姿や傷つく姿に胸を痛めることが増えた。
こんな思いをするなら僕は何も感じない方がいい。仲間も居ない方がいい。
そんな風にも考えている。
どこか遠くへ、どこか人の目につかないところへ。
ひとりでひっそりと暮らす。
悪く無い暮らしじゃないか。

じゃあ、応援に行ってこようか。
件名 ペナルティ
投稿日 : 2020/10/08(Thu) 22:33
投稿者 ジェラルド
参照先
暗い、暗い工場を明るくハッピーな工場に変えたところからだったね。
どん底から這い上がるぞってところだったんだけど…

カツンッ、カツンッと足音からも怒りが滲み出ているようなヒールの音。
重いドアを勢いよく開ける音に僕らの身体は飛び跳ねる。
全身赤ずくめの女が現れ、叫ぶ。

「ご自分の置かれている状況がわかっていないのかしら!?」
「ストーリーテラーとしても工場勤務でも勤勉に働けないなんて、更生する気はあるのかしら?」
「これはペナルティが必要ですわね!」

指をパチンと鳴らすと、工場が一気に暗くなり僕の身体から力が抜ける。
そして視界が黒で塗りつぶされると同時に意識を失った。
僕が目を醒ますまではそんなに時間が掛からなかったそうだ。
目を醒ますと僕は少し歳を取っていたんだ。
それと僕の物語が全部取られてしまったんだ。
人質?担保?上手い言葉は見つからないがそんな感じかな。
そこからはヴァイオレットに見つからないように小さなハッピーを工場のみんなとシェアしながら働いているというわけさ。

ストーリーテラーって具体的にどんなことしたらいいの?って思ってるよね。
本の世界も不具合が起きるんだ。
作者が迷走しちゃったり、スランプに陥ったり、あとは登場人物が物語通りに動こうとしなかったり…
そうして物語に齟齬が生まれるのを修正するのが仕事さ。
それは僕の世界のストーリーテラーの仕事なんだけど…
今、僕のいる世界はちょっと特別だろう?
色んな世界の人やモノが流れてくる。
物語も流れてくるんだ。
その過程で物語がおかしなことになったり、物語同士がくっついちゃったり、色んなことが起きるんだ。
それを物語の中に飛び込んで修正するってわけ。

だけど一つ問題があって…

僕は何故か物語の中には入れないんだ。
魔力の修行をしたり、魔法の杖を作ったり、色々試行錯誤したんだけど全部ダメ。
要するにおかしな物語を見つけても僕自身に修正は出来ないってこと。
これはつまり、一生ヴァイオレットの下で工場で働くってこと。
どう足掻いても借金は返せないということなんだ。

どうしたものか…。
件名 僕の世界と工場
投稿日 : 2020/10/06(Tue) 20:05
投稿者 ジェラルド
参照先
僕の世界は本の中の世界。
僕が生まれた本はジェラルドシリーズという物語。
まあ、これは今生きている世界でいうと家みたいなものかな?
都にもたくさんの家があるように、世界には沢山の物語があるからね。
本の世界の中に沢山の物語が詰まっている感じだね。

僕の世界では知名度が高い程、裕福な暮らしができるんだ。
ジェラルドシリーズはお陰様でベストセラー。
僕達は何不自由なく生活していたのさ。
だけど、知名度が低い物語や作者に捨てられた物語は貧しい生活を送っているんだ。
そして、本の世界のタブーを犯した者は最下層という工場で働かされることになるんだ。
それが今の僕ってこと。

工場で何を作ってるかって?
それはモブキャラクターというこの世界の住人さ。
住人と言っても名前も役も無い。
ただ、物語の登場人物達が悠々自適に暮らせるように働くためだけの存在。
使えなくなれば捨てて、また新しく作って、使えなくなったら捨てて。
働かされている人々もゾンビもビックリするような顔で働いている。
休憩も、お茶も無いんだからね。

僕は今の世界に来て分かったんだ。
すべてに命があるし、名前や役割だってある。
使い捨ての存在なんて無いことに気付いたんだ。
だから僕は工場で処分されるはずのモブ達を直しては工場から逃がすという大作戦を決行したんだ。
あと暗い工場を明るくするために綺麗に掃除をして、飾りつけをして、ティータイムを作って…
そうしたら、少しみんなの顔が明るくなった気がするんだ。
友達も出来た。
モブ…といったら怒られちゃうけど…元モブのテディベア達。
あとは雲のクラウディ。

ここまでは良かったんだけど…
ヴァイオレットに見つかってね…
続きはまた今度…。
件名 ストーリーテラー見習い
投稿日 : 2020/10/04(Sun) 21:46
投稿者 ジェラルド
参照先
ブルースパイダー事件以来、僕はストーリーテラーとしてこの世界に流れ着いた本の歪みを修正する役目を受けた。
役目というより、懲罰というのだろうか。
勝手に本の世界へ入ったことと崩壊を進めたことがいけなかったのだ。
本来であれば僕は削除されるべき存在だったのだが、異世界に来たというイレギュラーがあるため観察対象なのだと言う。
だけど、僕は自分のことばかりで役目を果たしていないからペナルティを課せられた。
まあ、どんなペナルティかというとこんなことがあったわけで…

―――加齢が進む前の夜―――

僕は夢の中に居た。
気付くと真っ白な部屋に立っていた。
金縛りにあったように動けない。
マネキンになった気分だ。

後ろから響くヒールの音。
速い足取りで僕の後ろに近づくと突然大きくて甲高い声が鼓膜に響いて身体が飛び跳ねそうになる。

『No.XXXXXXXXXXX番!』

なんかすごく沢山の数字が聞こえたが覚えていないが僕の番号だ。
その声の主が僕の目の前まで来る。
真っ赤な髪に真っ赤なスーツ、真っ赤なヒールにとにかく赤い格好の女が立っている。
その女は真っ赤な三角眼鏡をくいと上げて神経質そうな顔でこちらを睨む。
彼女が指をぱちんと鳴らすと僕の口が自由になる。

「貴方は…?」

そう尋ねると、彼女は苛立った様子でまた僕を睨む。

『名乗る時は自分から名乗るのが常識では?まあいいです、私はヴァイオレットですわ。』

ヴァイオレットという赤い女は嫌味っぽく名乗る。
僕が口を開く間もなく唇に真っ赤なネイルの指が当てられる。

『貴方に発言権はありませんわ。時間の無駄です。』
『要件は一つです。貴方のストーリーテラーとしての成績が最っっ低!だったのでペナルティを課すことに致しました。』

持っていたクリップボードを僕の目の前に突き付けられるとそこに張り付けてある紙に<C->と書かれている。
この後も彼女に色々言われたのだが、聞くに堪えないからカットしよう。
要約するとストーリーテラーとしての働きが無いこと、他の世界のストーリーテラーの中でも最低の成績だったということらしい。

『貴方は犯罪者です。罪を償えないのなら、罰を与えるまでですわ』

『貴方には加齢の呪いと工場での勤務を命じます』

『このまま働かずにいれば醜い老人の姿になってすぐさま塵になってしまうでしょうね。ああ、愉快、愉快。』

高笑いをして去っていくヴァイオレット。

そして視界が真っ暗になって―――

そんなこんなで僕は起きている間はこの世界に居るのだけど、寝ている間は罰として本の世界の工場で働くことになったのだ。
工場での話はまた今度しようかな。
寝不足でちょっと体調がすぐれないからね。
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