アビス地下のどこか、広い呪術空間 仄暗く、淡い緑の炎灯る地下のドーム状空間であり、壁面の窪みには無数の人骨、頭蓋骨が備え置かれている。それらはどれもこの流刑の都で寄るすべなく死した者か、或いは墓に埋葬される価値すらない者のものか。または、何故ここにあるのか所以すら分からぬものだろう。 その伽藍の空洞は視線を持つ。生への執着か、羨望か、憎悪か。ともあれ、そのようなものすら糧とし成り立たせる呪術・呪詛には最適な場所として、この空間があるのだ。 その場所さえ知る者は多くない。その成り立ちを知る者はいない。 |
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