白面銀毛九尾の狐、此度の名は野狐禅(やこぜん)。 永きを生きた妖狐であり、天狐。良くもあらば悪くもある。 獣人ではなくあやかしを自称し、獣人扱いを好まない。 人間の姿、半人半獣の姿、九尾の狐の姿を持ち、自在に変幻出来る。人間の姿も童女から、男性体と様々で、被服も幻術のため意のままに変わる。 普段は専ら狐の耳と九つの尾が出た半人半獣の姿で、女性的な声色と見目に長い銀の髪と銀の瞳をもち、白銀の如き肌に豪奢で繊細な柄入りの朱の着物を着ている――が、それも幻。視る者によって、やれ男のようだの、のじゃロリだの、ひとの貌をしただけの狐だの、視えるすがたは各人各様に変わる。
9つの名を持ち、9つの国(世界)を生きてきた。 否、幾つだったか最早忘れてしまった。 恐らく9つを超えたであろうために流れ着いたと考えており、元の世界へ帰ろうという気は薄く、都の住人として過ごすことにしている。
他人をからかうこと、面白そうなことが好き。 都ではまだ犯罪者の扱いは受けておらず、自由気ままに暮らしている。 幻術を繰り、管狐を従え、狐火を飛ばし、変幻し、浮遊したりは出来るが、こと戦うことには不向きと言い、闘技に積極的ではない。しかし他人の“しあい”を観ることと、他人を“しあい”の場へ誘うことは別のようである。 |
|