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ヴァッサーマン
Last Update:2020/09/02(Wed) 20:42

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性別
種族人間
職業獄長
二つ名ヤドカリ獄長、流刑地の吊るし屋
私書箱IDwassermann
システムバトル可否
帰るべき世界終末戦争世界


 ▼詳細データ
【名前】
ヴァルター・ヴァッサーマン(Walter Wassermann)

海底監獄アクヴァリウム主任看守長

【経歴】
年齢・出身世界不詳
関連書類抹消済…命令者不明

【外見】
漆黒の軍帽軍服に身を包む身長5.5フィート、短躯の男。
骸骨を彷彿とさせる鈍色の防毒ガスマスクで顔を覆う。
胸部には勲章に飾られたプラスティール製の胸甲。
右手が金属製のクローに置換されている。

【装備】
・処刑用クロー
鋏を思わせる無骨な特殊金属製圧殺装置。
人体を遥かに超えるパワーが備わり、鋼鉄すら粉砕可能。
公務・式典の際には取り外していることも多い。

・レーザーピストル
将校用の装飾がされただけの大量生産品。
煙幕や濃霧の中では威力が大幅に弱体化する。

・防護フィールド発生装置
ヴァッサーマンのバックパックには特殊な装置が仕込まれており、
予期せぬ攻撃に対して一定の偏向・弱体化効果を発揮する。

【直属部隊】
看守部隊、護衛隊、および選抜囚人部隊を指揮。
一部の部隊兵にはクローン兵士の採用が確認されている。

【以下監獄内パンフレットより抜粋】

ヴァルター・ヴァッサーマンは死神めいた陰鬱な空気を帯びる異邦の軍人であり、流刑の都に名だたる海底監獄「アクヴァリウム」の獄長である。都の沖合に朧に浮かび上がる不気味なシルエットの内部では、重犯罪者や死刑囚のみならず、危険生物や常人には理解不能な精神生命体までもが収監され、海底にまで達する地下監房にて、過酷な労役に従事させられているとの噂が絶えない。犯罪者やその予備軍1)には最も恐れられる監獄のひとつであるアクヴァリウム同様、その主たるヴァッサーマンも冷酷かつ容赦のない番人として知られている。

ヴァッサーマンの来歴は、この都を覆う霧のごとく謎に包まれているが、魔法よりは遥かに科学の発達した世界からの来訪者である事は間違いない。瓦礫の城塞都市近郊に忽然と姿を現した、煤煙にまみれた戦車と十数名の歩兵たちは、程なく都の衛兵と冒険者たちに包囲されたが、ヴァッサーマンの極めて紳士的な対応によりさしたるトラブルもなく都に迎え入れられたという。とはいえ一行の武装及び兵器群の取り扱いについては両者の間で熱い議論が交わされることとなった。さらに彼らの着衣やブーツに付着していた焦土からは、極めて有毒な物質が検出されたため、一行は数日間の除染と隔離を命じられるほどであったという。彼の話を信じるならば、とある「護送任務」の際に起こったトラブルによって、流刑の都に辿りついたのだとか。

当時、彼の胸を飾っていた煌びやかな勲章は、貴族院への勧誘を受けるに値するほどであったが、彼はそれに甘んじることなく一市民としての治安維持活動に協力を申し出た。不要と判断された資材は売り払われ、汚染焦土まみれの兵士達は都の衛兵の色彩豊かなコスチュームに身を包む。当初は既存の衛兵隊と変わらぬ…あるいは品行方正すぎるほどの活動を行っていたヴァッサーマン隊は、しかし数ヵ月後には、秘密主義の派閥が密かに勢力を伸ばすように、都のいくつかの小監獄を手中に収めていたという。制服は漆黒に塗り替えられ、新規入隊者を交えた兵士たちの一糸乱れぬ行進が周辺地区を威圧するようになる。さらには何処とも知れぬ工場で新造された防毒マスクと熱線銃が看守たちには供給されるようになった。

彼が獄長として頭角を現す契機となったエピソードをひとつ。
都内の犯罪者増加に伴なう監獄の収容人数超過、そして新たな監獄を建設するための土地及び資金不足を解消するため、ヴァッサーマンは老朽化した船数隻に1300人もの囚人を整然と乗り込ませ、海上にて彼らの身柄を管理する計画を実行した。船内空間を最大限活用するため、数層に区分けされた船室の中では囚人相互の「ふれあいと支えあい活動」が徹底されていたと言う。この計画の開始から数ヵ月後、都に襲来した大嵐によって、この新たな海上監獄に関わる構造的問題点が浮上したものの2)、結果として当局を悩ませていた監房数の不足は見事に改善されたのである!

ここ最近になって、ヴァッサーマンは闘技場における囚人闘技者の供出、有志ドナーによる医療機関への臓器提供、さらには一般的な冒険者にとっては極めて危険が予測される未踏地域における活動3)等、様々な取り組みを通じて流刑の都に新たな貢献を始めている。かくも積極的な囚人の野外活動が行われる理由としては、先述した海上監獄計画の反省が根底にあると言っても過言ではない。人的資源の有効活用という見地から、ヴァッサーマンは無用な囚人の虐待・拷問を禁じている4)。その方針は、手のつけられない凶悪犯罪者であっても、人格を消し飛ばすほどの薬剤を投与された後、闘技場における興行などの各種エンターテイメント産業にて社会貢献の機会を与えられることからも明らかだ。

現在、その精力的な治安維持活動によって複数の犯罪組織から恨みを買いすぎたヴァッサーマンは、闇の世界の賞金首として抹殺宣告を受け続ける身である。とはいえ彼の首を獲るのは容易なことではないだろう。彼は極めて用心深く、外出時は周囲に護衛を侍らせるのみならず、その全身を不可視のエネルギー防壁で常に覆っているのだから。生半可な狙撃は阻まれ、返す刀の一斉射撃により襲撃者は蜂の巣となるであろう。都の秩序と安寧を巡る戦いは、まだ始まったばかりなのである!



  1. ^主に下層住民全般を指す。

  2. ^沈没した。

  3. ^徒歩囚人部隊の一斉行進による対人地雷原の除去などが含まれる。

  4. ^有用なものについては、現場で適切に判断される。




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Miniりすと v4.01