【名前について】 シャル・ブルーム
元いた世界の記憶が朧気にしか残っていないため、残っている記憶も思い込みのようなもので事実とは違ったものかもしれない、という恐怖を抱いており、そのことが元の世界の記憶に対する執着という形で現れている。
執着は抱いているもののそれが元の世界に帰りたいという願望にそのまま繋がっているわけではなく、どちらかというと「その場所がもう誰も戻れない所だとして、憶えられてすらいないなんてあまりに悲しすぎる」という郷愁に近いものである。
その思い通り戻れる可能性についてはほぼ諦めてしまっている。 それでも闘士・冒険者をやっているのは「自分はいつも鍛錬を積み重ね、何かに向かっていた気がする」という曖昧に抱いている思いが、この世界で歩んでいくという思いとして現れた結果である。
【身体について】 身長152cm。スレンダーで靭やかな体型。色白の肌。 毛質は割と癖があり、それは長くなるほどに毛先で顕著になっていく。 淡く薄い水色の毛色をしており、それ故に光の当たり具合によっては白く見えることもある。 瞳の色は深いブルーで良く言えば柔和そうな、悪く言えば押しに弱そうな顔つきをしている。
キャットウォークという猫科の意匠を持った獣人として、側頭部に獣耳、背面腰下部に尻尾が存在する。 この獣耳は聴力を備えているわけでなはいが肌感覚が鋭敏で、聴力では捉えられないくらいの足音の振動を捉えることが可能。 但しあくまで肌感覚なので聴力の聴き分けると言うような高い選別能力はない。
尻尾はバランスを失った身体をそれ一つで支えきることが出来る程度には力強い。 意識下では自在に動かせるが、そうでないと感情に付随して勝手に動くことがある。
キャットウォークの特性として柔軟かつ瞬発力と体幹に優れる身体を持っている。 それ故に体付き以上の身体能力を発揮する。
【服装について】 襟が特徴的な緑を基調としてロングコートを着用し、中に暗い茶色のセーター、ワイシャツと赤いネクタイを着用している。 下は茶色のショートパンツ、中に黒タイツ、靴は焦げ茶のレースアップのミドルブーツを履いている。
尻尾を出せる構造になっており、ロングコートの背面の裾はスリットが入っている。
この服装一式は元いた世界から着用してきたものであり、その世界の魔術を下地とした技術が盛り込まれている。
シャルが元いた世界ではノルンという概念があり、そのノルンとは万物に宿る其れが其れであろうとする意思、というものであり、その世界に満ちるノルンの残滓を体内に取り込みマナに変換し、マナを媒介として魔術を行使する、というのがシャルの世界での魔術使用の一連の流れである。 そのマナを服装一式に流すことで組み込まれた術式が起動し、ある程度の体温調節機能、自動修復・浄化機能の各種機能が働く。 そのため場所・時期を選ばすいつもいつまでも着ていられる便利な服装一式となっている。
このレベルの術式が組み込まれた物はシャルの世界ではありふれていたわけではなく、選出された限られた者だけが所属する組織にいた者だけに贈られる貴重かつ名誉ある物だった。 その関連の記憶はほぼ失われており、大切なものという気持ちだけが残っている。
【戦闘について】 既述の通り体内でマナを生成しそれを魔術に使用する。 元の世界の魔術師は生成したマナを使い一般的には炎や氷などを生み出し、攻撃に使用する際もそれらを飛ばすなど遠距離主体のものが多かったが、 シャルの使う魔術はマナの使い方という意味でも距離という意味でもより直接的である。
それは生成したマナで身体を包みパワードスーツのように身体を保護しつつ、肉体でアクションを起こした際の出力を上げるというものである。 瞬間的かつ局所的であればマナの濃度を濃くすることが出来、その箇所の耐久力や出力をより上げることが出来る。
マナは生命の危機に瀕した者が生成したものほど活性化しているという特性があり、 つまりダメージを負えば負うほど上記の魔術の作用が強くなるということである。
転移先の世界でもノルンの残滓の取り込みからマナの生成まで行えたため、この魔術を使っている。 転移元の世界では近接戦闘を旨とする魔術師はその物珍しさから、総称してバトルウィッチと呼ばれていた。
【性格について】 丁寧な言葉遣いをすることを旨としている。 他者と不必要に対立したくないと考える一方で自身の曲げたくない意思や考えを曲げるのも嫌だという強情な面も持ち合わせているため、対立すること自体を忌避しているわけではない。
趣味らしい趣味が自己鍛錬くらいしかないため、手合わせについては肯定的かつ積極的。 |
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