【STANDARD RABBIT―ORIGINAL―】

全長:125cm
体重:27kg
動力:メルリアクター
装甲素材:軽量型強化マテリアル
機能:

【頭部】
　ウサミミ型のなっがいアンテナが生えており、ふわふわの髪の毛を歯車の髪飾りで結ってポニーテールにしている。
【身体】
人型であっても人ならざるハードメタルボディ。機構は若干露出しており、全体的には流線系だがしっかり良い肉つきをしたむっちり幼児体型フォルムをしている。
　脚部だけでなく肩部にブースターを内蔵したり運動性を重視しているが、それでも強度そのものはダンチ。
　実は人間よりも関節がひとつ多く、折りたたむことで機構が作動して高く飛び上がれる。
　胸元に蝶ネクタイ風のパーツがついているほか、見た目は完全にカフスまで完備したバニーガール。
【その他の特徴】
　電球がうさぎのしっぽのように生えている他、内部充電を確認するためのランプがボディペイントのようにボディの各部に走っている（平時は緑色に点灯）

【主兵装】
メタルソード
　鉄板。本来、機兵の盾に使われる複合素材を一枚剣として形成したもので、その大きさは120cm近くもあり厚みもかなりある。
　戦車砲にすら耐え切る耐久性があり、刃はビスで打たれて溶接されている。

【装備】
ラビットマフラー
　首元に幾何学的な文様が描かれた真っ赤なマフラーを巻く。かなり長い。

メタルアーマー
　今はまだ使えない、機兵を参考に設計した頑強な基本アーマー。極めて頑丈な造りではあるが、無駄なく全身を護る。
　背部や脚部にブースターがあり、慣性が重く乗るが十分に高速機動が可能。

【ヘッドパーツ】
ラプラスの瞳
　瞳に仕込まれた戦闘デバイス。
　フィリアシリーズの持つソレを性能を落として実装されたもので、使用時は目が青く光る。

【アームパーツ】
ワイヤードフィスト
　説明不要のワイヤー付きロケットパンチ。速度が素早いだけでなく、ワイヤーを用いたアクションが可能。

ロケットパンチ
　内蔵シリンダを使い、ワイヤーを付けずに射出する必殺の鉄拳。

メルドリル
　手首が回転し、強靭な指先がドリルとなる。岩盤を掘り砕く破壊力。

エナジーナックル
　腕に纏わせたエネルギーを好きなように使える機能。
　物質化も可能で、使いようによっては光波ブレードやブーメランなどを放つことが可能。

ラピッドガン
　内蔵シリンダで圧縮した強力なビームバレットを掌から放つ。もちろん連射もチャージも可能！
　また、同じ銃身からビームクロウを形成できるため接近戦可能。

メルバンカー
　エネルギーの物質化を利用し、擬似的にバンカーバスターを再現して一気に刺し貫く。

【フットパーツ】
ハイジャンプ
　脚を変形させて折りたたみ、エネルギーをチャージすることで一気に飛び上がるウサギさんジャンプ。

輝石生成機関＆エーテルブースター
　エーテルや魔力といった周囲のエネルギーを集め、固体燃料として脚内部に溜め込む機構。そしてそれを開放し、噴射する脚部ブースター。
　サブブースターを開放することで、姿勢を細かく制御できる。また、アーマーそのものにブースターがついているおかげで機動力が上がった！

【しっぽ】
　体内から伸びるプラグのしっぽ。アタッチメントの変更により、コンセントやバッテリー充電器で充電できる。普段は電球をうさぎのしっぽのように取り付けている。

【内蔵機構】
　メルの中にある属性を切り替えるコアシステムと、後付けでサポートシステムやスキルを組み込むディスクシステム。
　コアを組み替えると属性によって一時的に性格に影響が及ぶ！……けどまだ使ったことないぞ！

　プラン名『INABA』を冠するスタンダード・ラビットの本来の姿であり、ニンジャキャットのバニラカウル。
　拡張装備を使う前提で作られた素体形態であり、取り回しやすさを重視した造りになっている。
　飛行能力、エネルギー行使能力を完全な形で備えており、空気中に存在するエーテルを様々な形に変えて使うことができる。
　追加アーマー次第では、あらゆる性能を再現し、あらゆる状況に対応可能になりうる可能性を秘めている。

【HIGH-SPEED RAIDAR】

全長:125cm
体重:27kg
動力:メルリアクター
装甲素材:軽量型強化マテリアル
機能:
　【光刺掌】
　真名メルバンカー。手のひらから鋭いトゲを勢いよく生やし、貫通させる近接戦闘用武装。
　強力な殺傷力を持ち、強靭な装甲を溶貫する。

【螺旋貫通掌】
　真名メルドリル。手首を高速回転させ、強い指先で刺し貫く。
　なおロケットパンチする際に腕を回転させて飛ばすことができ、こっちがメイン。

　【練輝閃】
　真名エナジーナックル。体内のエーテルエネルギーを自在に扱う機構。
　エネルギーの固形化による物理攻撃、奔流による砲撃、障壁の緊急展開等が可能。

【マルチアダプター】
　腕のボタン状パーツを通してコードを接続する機能。二本イケる。

【主兵装】
妖刀ネコザメ
　日本刀型小型ブレード。鋭い刃を持ち、エネルギーを吸引したり開放する力を持っている。早い話がフィールドエッジ機能付きエネルギー吸収装置。
　血を吸う刀に因んだらしいが、どう考えても村雨を村正と間違えている上にうろ覚え。メカのくせに。

シノビマフラー
　いつものマフラーが変化したもの。一層柔らかく、エネルギーが通りやすくなっており第三の手として機能する。

レヴォリューション・テイル
　先端に鉤爪のついたしっぽ。とある異界の生体兵器の使っていたものを参考に作られた戦闘用のテイルブレードである。
　突き刺したり薙ぎ払う他にも様々な使途ざあるが、メルが使いこなせるかは未だ未知数。

【特殊能力】
デコイシステム（分身の術）
　メルのディスクシステムの有効活用。エネルギーを吸い上げ、高速演算による形成によりエナジーソリッドの分身を生み出す。分身は傍らにいる時は安定して姿を保つが、距離を離すと霧散してエネルギー塊に戻ってしまう。

クナイブレード
　超小型爆弾が内蔵されたクナイ。遠隔操作で起爆可能で、コストは低くて大量生産可能。

エーテルシュリケン
　手裏剣マークから精製できる十字手裏剣。チャージ時間を増やすことで大型化させ、風魔手裏剣にすることも可能。

まきびし
　植物の方。塩ゆでにすると食える。

棒火矢
　どう見てもライフルグレネード。使用時は射撃モードの性格に変化する。ちなみに威力はちゃんと対人用に抑えている。

かくれミノ
　ステルス迷彩用の拡張パーツ。つけているマフラーが必要な時に物凄い広がって姿を覆い隠してしまう。この状態で機敏な行動はできないしそもそも音でバレる。
　また、ムササビのように手足を広げて飛行ができるが実はいつも通りのエーテルブースターなのでなんの効果もない。

　メルはニンジャキャットと呼称する高速戦闘形態。
　アトランダムが生み出した夢の世界――その世界にて“本来の”スタンダードラビットの姿を手にしたことにより、変身可能となった。
　旧verの絶対的な装甲と引き換えに隠密性を手にした本来のスタンダードラビット(ベースモード)にステルス用パーツを取り付けた状態で、
　脚部は静粛性に優れたフットパーツに換装しており、耳もウサミミからネコミミ変化している。
　音の問題で飛行能力は制限されたが素体のままのため極めて速く、その素早さは彼女を青い風と変える。

【JAGT STIER】

【外見及び性別】8歳女児
全長：125cm
体重：250kg
動力：メルリアクター？
装甲素材：複合式ナノマシン合一型超硬マテリアル
【頭部】幾つかのパーツで構成されたショートヘア型パーツがつき、頬にペイントのようなものが走っている。耳の代わりにアンテナが！
【瞳の色】青色
【格好】巻いた首元にイナズママークが描かれた大きな缶バッジをつけた先端に青い龍鱗が着いた鮮やかな緋色のマント。
　ショートパンツを履き、リボアクセントの真っ赤なカチューシャをつけている。
【身体】
　首から下は各部にビスが打たれた無骨で頑丈なハードメタルボディ。
　マントに隠れた肩は蛇腹状パーツで、フォルムこそ少女の身体を模しているが手脚はブリキ人形のように少々不格好。
　全体的に今にも鉄とオイルの匂いが漂ってきそうなほど機械機械している。小さい割に相当重い。
【その他の特徴】電球がうさぎのしっぽのように生えている他、内部充電を確認するためのランプがボディペイントのようにボディの各部に走っている（平時は緑色に点灯）

【主兵装】
メタルソードORIGIN
　鉄板。本来、機兵の盾に使われるジナ研の複合素材を一枚剣として形成したもので、その大きさは120cm近くあり厚みも相当なもの。
　鍛冶を知らない当時のメルが工業的な加工で無理やり作り出したモノのため無駄が多く形状のせいで取り回しも悪い。
　だが、戦車砲にすら耐え切る耐久性があり、ビス打ちされ溶接されてくっついている刃を激しく叩きつけることで、速さと重さと質量でたたっ斬る。
　斬機刀が何かの反応を得てこれに変化するため、武器の完成度そのものはかえって低下する。

レッドマントIMITATE
　いつも身に着けている対魔導マフラー。ラビットマフラーが変化し、単純に出力が上がっている。
　オリジナルは改装時にマフラーに変えたためにメルのものではなくなり、
【誕生日の夢】にて彼女の記憶から生まれたレッドマントは【最後の贈り物】にて夜明けに譲渡され、今使っているのはラビットマフラーが変化した模擬品。

【特殊能力】
絶対防御
　普段のメルの装甲が、12000枚の超薄型装甲によって複合形成する形式になることによってあり得んくらい硬くなったもの。
　対機甲兵器すら弾き、エーテル膜が仕込まれているため属性耐性も極めて高くもはや防御無視を防御するという領域に至っている。ちょっとヤバい。

【ヘッドパーツ】
ラプラスの瞳
瞳に仕込まれた戦闘デバイス。彼女のマスターであるフィリアの持つ高機能戦闘デバイスがオリジナル。
性能を落として実装されているが、それでも結構なモノを見抜くことができる。使用時は目が光る！

【アームパーツ】
メルカッター
　腕の中から出現する内蔵式の強力な丸鋸。ナノコーティングされたホイールソウが硬いものを切り開く。
　その切れ味は極めて鋭く、無茶苦茶頑丈なスタンダードラビットの装甲を切り裂いてしまえるほど。

メルドリル
手首が回転し、強靭な指先がドリルとなる！

メルサンダー
　内蔵電気を手のひらから放出する機構。その威力は100万ボルト！（自称）

メルブラスター
　腕の下に隠された射出機兼ビームガン。体内エネルギーを圧縮し、直接叩き込むとっておきのビームバレットを撃てる！もちろんチャージショットも可能！
　また、ロケットパンチを放つ際に強靭なエネルギーワイヤーを展開し続けることでワイヤードフィストにすることができる。
　ロケットパンチの後の武装として、使用可能な仕様！

【フットパーツ】
ローラースケート
足裏から車輪を出してスイスイ走れる便利機能。

エーテルブースターPROTO
　スタンダードラビットと違い、自由自在に空を飛ぶことができない代わりに爆発力の増した脚部ブースター。
　ボディに内蔵されたサブブースターを開放することで、姿勢を制御できるが逆噴射などは難しい。

【しっぽ】
体内から伸びるプラグのしっぽ。アタッチメントの変更により、コンセントやバッテリー充電器で充電できる。普段は電球をうさぎのしっぽのように取り付けている。

【内蔵機構】
　メルの中にある属性を切り替えるコアシステムと、後付けでサポートシステムやスキルを組み込むディスクシステム。
　カスタマイズしようと思えば様々なカスタムが可能となる。

　コカトリスタチューとの死闘で極限に至った結果、その雄叫びに呼応して目覚めた旧式ボディ。
　ジーナスラボの作成マシンが不具合に苦しみながら必死に組み上げた不合理の塊みたいな存在。
　しかし、戦闘面に関しては強力なものを有しており、パワーと装甲が特に優れている。
　外見面では髪が短くなりウサギさん仕様でなくなり、首から下が洗練とは無縁な無骨なメタルボディとなる。
　体重が増えているのもあってか、足音も凄まじいためうるさい上に通常形態ほど自由に飛べないので基本は徒歩。

【年齢】24歳ほど？
【瞳】澄んだ碧眼
【身長】175cm
【動力】《INFINITY》
【服装】
最低限の装甲を施したバニーガール風のバトルスーツを纏った何処かあどけなさを残した大人の女性
【体つき】艶やかに、そして腰のあたりまで伸びたふんわりとした茶色の長髪、膨らんだ豊かな腰骨からスラリと長く伸びた美脚にしなやかに指先まで綺麗なラインを描く腕。
　胸もかなり大振りだが全体の印象との整合性が取れたもので、くびれた腰は女性らしく細くはあるが骨盤が広くしっかりとした腹筋が身体を支える。

【機能】
再生細胞
　■■■■の再生能力をデチューンした試製ナノマシンにして、肉体の結合を強化する細胞。

　■■■■シリーズ用再生ポッドから抜き出してきたデータのため、あまりすり合わせはしていないが肉体を修復してくれる。エネルギーを回すことで修復速度が上昇する。

D・ナックル
　■■に干渉する機構。エネルギーの操作精度と出力が向上し、■■の操作が可能になった。
　この力により武装のダウンロードが可能となっており、またこの力で■■を複数層にすることで干渉を遮断できる。
　また、掌にはチップが組み込まれており、手のひらをコネクタとして干渉ができる。

E・フェザー
　各部に強力なブースターが内蔵され、肩甲骨にはせり出すと共に鳥の羽を思わせる力場を生み出す推進ユニットが組み込まれている。
　これは■■■■の『飛翔』を設計段階から組み込んだフライトユニットで、推進する以外にも継続的な飛行を可能とする。また、このエネルギーには干渉特性があり、攻撃や防御にそのまま転用ができる。

　しかしイマイチ不完全なため、一定以上の負荷をかけると制御を外れ、蒼く輝く巨大な翼を形成する。その翼は平時とは違い、展開中は広範に渡ってジャミングしつつ触れるもの全てを消し飛ばしユニットそのものを損傷させる可能性がある危険があるのでリミッターがかかっている。

A・カード
　さまざまなデータを自由に記録できる小さな補助記録媒体。

【武装】
熾剣デイブレイカー
　メルの奥底に記憶されていた■■■■■■■■■の記憶を具現化し、何処からか引き出された巨剣。刃部分は複数のパーツから構成され、ビット及びエナジーソリッドをそれぞれの目的に使い分け、大剣、大砲、光剣、光盾と複数の形態に変化する。

C・ジェイル
　■■■■。

【Last Judgement】
　振り下ろされるは最後の審判。光が全てを覆い隠す。

　風が止んだ。どうやら、潮時のようだ。
　この世界は我々の存在を許容しなくなったようだ。これ以上ここに留まることはできないだろう。
　とはいえ我々『フィリア』は元より不自然なもの。むしろ今までよく保ったものだと思う。
　別に私は世界間移動程度容易いから何処に飛ばされようが構わないが……問題はメルだ。
　私の巻き添えでいきなり退去が決まったおかげでアイツもさぞや困惑しているだろう。
　引き取り先も決まっているし私は普通に会いに行けるが、あいつの知己はそうでもないだろう。
　こんな降って湧いたような別れなど……押し付けてしまうのは、少し心苦しいものだ。
　せっかく紡いだ絆が遠くに行ってしまう……その感覚はもしかしたら忘れられないものになるかもしれない。
　だが、私には予感がある。今はアイツに寂しい思いをさせるが……いつか、運命が引き合わせると。
　だから今は耐えろ、メル。私は可能な限り……お前を見守っていてやる。
　私は母であるつもりはないが……お前のマスターなんだ。どうあろうが、責務は果たしてやる。

……すまなかったな。さて、そろそろ行くか

　なにやらメルが森の中で出会った異界の少年の話をし始めた。
　聞けば彼は科学が全てを喰らい尽くした世界から逃れてきた人造人間で、
　出会い頭にメルに攻撃を仕掛けてきた程度には人間不信に陥っていたようだ。
　なんでも、味覚が死んでしまっているからなんとか直してあげてほしいのだと。
　……そう伝えてきたアイツはとても必死な顔だった。
　腐肉や生ゴミじみた食事をせねばならない事情もあったんだろうが、味覚が逝ってしまうのは相当なことだ。
　この地は善き人が多い。一時の腰おきになるかもしれないが、それでも彼には良い思い出を持っていってほしいものだ
　聞いた話によると元の世界からの追手もくるようだが、こんな『裂け目』にご苦労なことだ。
　もし、私のもとに来たならばとっとと追い払ってやるとしよう。――私は『ヒト』の守護者だからな？

　しかし……メルもなかなか交友関係を広げているな。感心感心。
　メイドのイオ、遺産のアルファス、それからイルミネに今回は異界の人造人間レヴォール……
　
　さて、もしアイツがお友達を家に連れてきたときは歓待してやらねばなるまいな。
　メルのお友達なら、私が歓迎しない理由はないだろう？フフッ
　手始めにアイツに香りの強いバニラケーキや鶏肉の香草焼きを教えてやろう。
　ジーナスもフィールドワークや開発、研究で忙しい。彼の決心がついてこちらの都合が合わさるまで、この件は保留とする。

　兼ねてより考案していた改良案、INABAプランが完成した！！！！やったぞ！！
　諸々初期設計にちょっとだけ近づけて人間の身体に近づけて
　とりあえず軽量マテリアルを用いることで重量をおおよそ90％ダウン！ナノマシンを混ぜた流体金属だから柔らかい！
　これで馬車にぶつかっても壊れないし転んだ拍子に柵とかぶち壊さないで済むぞ！そして運動性も大きく向上した！
　デザインは素早く動くということでウサギにした！しかしラフ画を見たジーナスが微妙な顔してたがなぜだろうか？？
　対人武装に耐えられる程度に低下した装甲は同素材で作り上げた追加装甲“メタルアーマー”で再現、その他の武装も扱いやすく！！
　いやあ、ジーナスに相談してみるものだ。メタルアーマーを機兵と似たような仕様にすることで諸々を解決するとは。
　これまで、あまりにも重すぎたしフォルムも妙にロボロボしていたから身体の各部を引っ掛けてはぶっ壊していたから本当に助かった……
　さっそくアイツが街に出てすっ転んだようだが、公共物を破壊した報告はない。よかった、これで解決だ。
　INABAはボツに終わった初期設計案のリメイクだ。闇に葬りたくないからうまいこと持ち込んだが……ああ、すごい出来栄えだ！！

　それはそうとメルがなんか新型軽量ボディー！！と自身が改造された前提で喜んでいるわけだが……実は旧機体は残っている。
　使わなくなった旧式ボディはジーナスに譲渡して好きにしろと言ったわけだが、はしゃぐメルが面白いから放っておくか。

　私の日記がメルの中にログテキストで保存されているぞ！！しかも消去できない！！
　……ジーナスめ、メルにラボ内のネットをそのまま使わせるなど！
　だが、ヤツを責めることはできまい……
　わかっていただろうにな、あの研究バカにチャイルドフィルターなんて気の利いたものが用意できるものか。
　だがこれはこれで納得いかない！では私には何の手立てもないまま日記を丁寧に保存されろというのか！？
　土地柄問題ないとはいえそのへんの図書館のほうがマシなセキュリティをしておいて！！
　……よし。このままでは怒りのままに愚痴を書き連ねてしまうからちょっと落ち着くために別の事を書こう。イジりなど何万回されたか知れないよ

　あいつは最近なぜか私に展開式5m単位の超大型チェーンソードやらドリルやら要求しまくってくる。
　用意するだけならまあ問題はないのだが、果たしてヤツをこのままにしていいものか。
　アイツはパワーがあり余ってる子供という名の破壊神。悪意があれば遠慮なくぶん殴れるが、そうじゃないんだよなぁ
　マックスパワーで飛びつかれて少しフレームが軋んだし、やっぱり兼ねてから考えていた新プランを早急に完成させねばならんだろう。
　このままだとまず間違いなく悪意なく誰かを吹き飛ばす……！


　さて、ここでこれまでのメルの仕様についておさらいするとしよう。

　まず骨格は私達に近い強靭な『人形骨格』で、肉となる装甲材はジーナスのとこのマシンがバグとエラーに苦しみながら調合したナノマシン入りの超硬マテリアル。
　ナノスキンの効果により脊髄から送られた命令に従い分解・再構築のプロセスを踏んで自らを作り直す自己再生機能付きで12000枚の薄型装甲の合間に概念防御まで存在するから異常に硬い。
　しかし万が一壊れると面倒くさいから外付けアーマーにしてしまおう。そうすれば壊れてもパージすれば済む。

　そして、炉心は私のソレを素に設計したモノ……まあ、言ってしまえば『イミテーション・フィリアリアクター』とでも言おうか。こいつの出力も相当に高い。対消滅炉や相転移エンジン――にも負けない優秀な炉心……だと、いいなあ。
　腕の下のビームガンに被せる形で独立した射出可能のアームパーツがあり、エネルギーが残存していれば動かすことができる。
　ビームガンから伸ばしたエネルギーワイヤーで本体と接続すればエネルギーを本体から供給し、遠隔で動かせるワイヤードフィストが使用可能だ。
　アームパーツには丸鋸が内蔵され、この刃にもナノマシン？らしきものが付着して極めて硬度が増している、戦車の装甲すら切断できるだろう。
　ビームガンについてはセラフィムブレイドのデータが無理して組み込まれているせいかリミッターが存在せず、許容量を超えてエネルギーをチャージできる。
　通常のビームバレットを基準に、拡散、連撃、弾幕、溜め撃ちと色々ある。攻撃力は高いが、危険があるな……こいつは要改良だった。

　フットパーツ。空気中の元素を集めて凝縮し、エーテルクリスタルを作り固形燃料に変える。足を反転させることでブースター口が生じ、クリスタルを使って飛行する。
　本体にもブースターユニットはあるが、そちらは主に慣性制御に使用していた。推進力はかなりのモノだが、小回りはそこまで効かないはずだ。これもバランスが悪いから取らねばなるまい。
　イオのような斥力式とは行かないが、まあブースターで飛翔させる方式くらいにはできるだろう。

　あと、顔。顔面については擬似神経と人工筋肉を使用したモノかと最初は思っていたが、実は『流体金属』だった（最近、それのせいで私の姉妹がひとり増えたっけなそういえば）
　瞳については私の左目をデチューンしたスフィアパーツで、それなりに多機能になっている。

　そんなわけでスペック自体は無駄にいいわけだが日常生活においては不要なことが多い。もっと軽く、もっといい感じに細身にしてやらんとすぐにタンスを破壊する。
　というわけで肉体はもっと柔らかく軽くするとして……軽量ナノメタルの開発を急がなくては。
　軽量にして高速、取り回しの良い新型躯体……それがINABAプランということだ。
　……さて、こうして書き込んだことでだいぶ落ち着いてきたな。
　まあもしかしたら自ら知ることもあることもあったかもしれないからあまり口汚くならんようにしないと。
　物事はエレガントに……スマートに済ませるべきだ。














　いつか覚えてろよジーナス

　メルが誕生してからしばらくが過ぎた。
　あいつが作られていきなりメタルソードなる剣を作ってきたときは意外な工業力に驚いたのだが、それも少し懐かしい。
　慣れてしまえばやかましいことを除けば割と受け入れられるものだった。
　想定していた人格よりも遥かに幼くなり、不完全なルーチンがあるので一抹の不安はあった。
　ココロというのは繊細なもの。少しの破綻で全てが崩れてしまうほどに、バランスは必要なのだ。
　私の父も私という『少女』を作るために全てを捧げ――そして、私や妹を作り上げて逝ったのだから。
　私の不手際でそれを不完全にしてしまったのは流石に申し訳ないことだった。
　だが……今のところメルは不具合が発生していない。無垢な目で世界を見て、人格を構築しているようだ。
　この街は善き者が多い。触れ、話し、少しずつ経験が生来の不具合を覆い隠してくれることを望む。
　お友達も順調に増えているようだ、とても喜ばしい。

　で、それはそうとして今日も馬車や牧場の柵をぶっ壊してくれたらしいんだがどう始末をつけてくれるんだ？？
　またも私が頭下げに行くのか……！なんかこう……腑に落ちんぞ！！
　まだ作って一週間も経ってないのに！被害総額が！おかしい！！
　とりあえず無自覚に破壊を広げるあのアホをどうにかせねば……！
　人に突撃はするなとしつけはしてるんだが体重が重すぎてだめだ……触れるもの全て壊す……

　……まさかこうなるとは思っていなかった。
　私は人形である私自身の理想の具現化として、この人形を作り上げた。
私は少女の理想という姿をとり、ヒトの守護者として力を与えられて作られた戦闘用人形。
　ゆえに私は成長できない私自身の内から、北欧神話のワルキューレのような美しき戦乙女を作ろうとしたのだ。
　デザインとか格好良くして、武器はビームガンとブレードを複合したものにするつもりだった。
　空間を絶ち、力を正しく用い、そして何処までも凜然たる姿を見せるように、だ。
　それこそ、その背に守るべきものを背負い戦えるような……そんな正義の味方をな。

　都合のいいことに私の知り合いには凄まじいテクノロジーを持つ者がいるからな、作ることに問題はない。
　そんなわけで私はさっそくur4v1c3に赴き、様々なジャンクをかき集めた。
　ボルテックメタル、ミラージュスフィア、クロガネギアのようなジャンク。それから衣服用に極楽鳥の羽毛にブルードラゴンの鱗……いずれもこの地であるからこそ集まる素材だ。
　ちょっと値段は張ったが、まあ私の理想を具現化すふための必要経費だ。問題はない。

　そして設計図通りに行けば、ジーナス・ラボと我らフィリアシリーズのテクノロジーをかけ合わせた
　究極の強さと美しさを持つ機械仕掛けの乙女になる……はずだった。
　なのに何故だ！？入れる数値間違えたのは確かに私だが、人間の身体さえしてないチンチクリンじゃないか！！
　おまけに無理やり組み立てたものだからバグにまみれてるしAIも微妙に不具合起こしてる気がするぞ！！
　自業自得なのはわかるがすごくやり直したい！！でも起動してしまった以上はそうもいかん！！
　正直メルという名前も咄嗟に思いついた適当な名前だったのだが……もう少し考えてやるべきだったろうか？
　作った以上は……面倒見てやらねば……クッ